3月に発表された2025年度「中華遺言状バンク白書」によると、2025年の時点で、「中華遺言状バンク」に遺言状に関する問い合わせをした人の数は延べ67万5537人で、遺言状の登録・保管数は40万4981件となった。遺言状作成者数は長年にわたり連続して着実に増え続けており、遺言状作成に対する受容度と需要が高まり続けている。

遺言状作成者の主力は依然として高齢者だが、若年化の傾向も際立つようになっており、作成者の平均年齢は13年連続で低下した。このように若者が遺言状作成を計画する新たなグループになっていることが分かる。

高まる独居高齢者の遺言状ニーズ

中国の60歳以上の高齢者は3億2000万人に達しており、空の巣老人(子どもが巣立った後に残された高齢者)や独居高齢者の財産承継や介護保障ニーズがより際立つようになっている。白書によると、25年に高齢者が作成した遺言状は4万1168件に達した。うち2万5287件は「空の巣老人」が作成しており、全体の61.42%を占めた。

中国老齢事業発展基金会・中華遺言状バンクプロジェクトの陳凱(チェン・カイ)主任は、「空の巣老人や独居高齢者の間で遺言状ニーズが高まっているのは、中年や若者が実家を離れ、世帯構成員数がどんどん減っていることと関係がある。高齢者の自分の権益を守ることに対する重視度が高まり続けていることも反映している。遺言状作成はこうした高齢者にとって、財産の行方を決めておき、自分の希望を伝える重要な『終活』の一部となっており、安心して老後を過ごせるようにしているほか、自分が亡くなった後の準備も入念にしている」と分析した。

高まる中年や若者の遺言状作成率

男性の馮さん(22)は幼いころから姉の世話を受け、就職してからも姉に支えられてきた。そんな姉に恩返しをすると同時に、姉が年を取ってからも安心した暮らしができるようにと、馮さんは遺言状を作成し、自分の貯金は全て姉に相続してもらうようにしたほか、7年間使用したゲームのアカウントも遺言状の内容に加えた。

馮さんの遺言状の内容は、若者の遺言状に対する見方の変化を反映している。今では、高齢者だけでなく、若者も遺言状の作成を通して自分の思いを表現したり、財産分割の計画を立てたりしている。

白書によると、中国全土で遺言状を作成する中年や若者の割合が高まり続けている。

上海を例にすると、遺言状作成者のうち60歳以下の男女が占める割合は23.68%で、30~39歳の男女の増加が際立っている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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