2026年4月26日、韓国メディア・マネートゥデイは、サムスン電子の労働組合が成果給の大幅拡大などを求め、予告している大規模ストライキについて、実施されれば、生産減少よりも深刻な、「見えないコスト」をもたらす可能性があると報じた。

記事によると、約7万4000人の労働者を代表するサムスンの労働組合は、好業績にもかかわらず、会社が適切な報酬を提示していないと主張。

経営陣が提案した制限付株式による賞与案を拒否し、賞与の上限撤廃などを求めている。労組側は経営陣との交渉が決裂した場合、5月21日から約18日間にわたる大規模なゼネラルストライキを予告している。

専門家は、このストライキについて「単なる賃上げ交渉ではなく、企業の信頼、供給網、ひいては国家競争力を揺るがす問題だ」と指摘。特に、価格よりも「安定供給」が最優先される半導体ビジネスにおいて、一度でも供給不安が生じれば、長年築き上げてきた顧客との信頼関係が崩壊し、構造的な顧客離れを招く恐れがあると警鐘を鳴らした。

韓国の証券会社の試算では、ストライキが実施された場合、世界のDRAMの供給は約3~4%、NANDも2~3%減少する可能性があるとされ、これにより、メモリー価格の上昇や市場の不安定化につながる懸念も出ている。また、サムスン電子は1700社以上の協力企業と結びついており、稼働率低下は関連企業にも広く影響が及ぶとみられる。

記事は、ストライキによる長期的な競争力の低下は、最終的に雇用不安や賃金の停滞を招き、「結局は労組側もそのコストを負担することになる」と分析。ストライキは憲法で保障された権利であるとしつつも、その行使には慎重な考慮が必要だと強調した。

今回のストライキをめぐっては、経営陣の自宅前での集会計画など、抗議手法をめぐる批判も出ている。また、企業と労組間の対立がエスカレートする中で、情報の非対称性が交渉を難しくしているとの指摘もあることから、専門家は解決策として、成果給基準の透明化、第三者による仲裁制度などを挙げ、「対立コストが拡大する前に協力体制を構築すべき」と提言している。

これについて韓国のネットユーザーからは「ストのやり方に疑問がある」「ストライキのせいで、これまで築き上げてきた信頼を失ってしまう」「世界がサムスンを追い越そうとしている時期に、身内で足を引っ張ってどうする。無責任すぎる」「ストライキのせいで長年の信頼を失えば、結局は自分たちの仕事がなくなるだけだ」「国家経済にまで影響を及ぼすストライキは、もはや労働運動の域を超えている」などの声が上がっている。

一方で、「労働者の権利も重要」「そもそも、企業が利益を独占しているせいだ」「ストライキが大規模な影響を出すのは労働者側も分かっている」「会社側が誠実に交渉に応じていれば、ここまで事態が悪化することはなかったはずだ」「一方的に労組だけを責めるのは不公平だ。経営陣も歩み寄るべき」などの声も見られた。(翻訳・編集/樋口)

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