中国メディアの環境網はこのほど、英国の政治経済誌「エコノミスト」が中国の人間本位のスマート化が注目を集めていると報じたことを紹介した。

記事は、「1年前、中国・山東省の青島市で見かける自動運転車はごくわずかだった。

しかし現在、その数は世界でも上位に入る規模に達しており、ある無人配送車メーカーは、すでに約1200台の無人配送車を市内道路へ投入している。複数の自動運転タクシーやデリバリー事業が同時進行する中、青島市は中国における人工知能(AI)急成長の縮図となっている」と指摘。「こうした配送システムは技術的偉業ともいえるが、短期的には一部の労働者に影響を与える可能性がある。中国はAIと自動化分野で世界をリードしたい一方で、それによって雇用が失われることは望んでいない」とした。

その上で、「中国は新たな発展計画綱要の中で、大規模失業リスクを防止・解消する仕組みを整備する必要性を掲げている。さらに関係当局は開発者に対し、人間の雇用を置き換えることを目的としてAIを利用してはならないと伝えた。専門家によると、このような要求はAI規制の分野では前例がないという」と述べた。

また、「中国都市部の自動運転車は、さらに新たな段階へ進みつつある。青島市の無人配送車メーカー幹部によると、現地当局は人間の仕事が置き換えられる問題について、それほど懸念していない。その背景には、機械が代替する運転手の種類にも一因がある」と説明。「無人配送車が主に担っているのは企業間向けサービスであり、市場から食材を仕入れて飲食店へ配送するといった業務だ。この種の仕事に従事している人の多くは高齢で、運転しているのも横転しやすい小型三輪車であることが多い。

こうした仕事を継ごうとする若者は少なく、機械へ置き換えることはむしろ自然な流れとなっている」と論じた。

さらに、「中国の大手企業各社は、影響を受ける労働者への支援策にも着手している。例えば一部プラットフォーム企業では、配達員に対してドローン配送業務を補助するための研修を始めている。具体的には、料理をドローンへ積み込む作業や、管制センターで飛行状況を監視する業務などが含まれる。こうした人員体制は今後さらに拡大していく見込みだ」と説明。「AIが雇用に深刻な影響を与えるのではないかという不安が世界中で高まる中、中国が進めるこの『人間本位のスマート化』の試みに、各国が注目している」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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