2026年6月2日、中国のポータルサイト・捜狐に「日本アニメの黄金時代は終わり、IP支配者が利益を独占する時代へ」と題した記事が掲載された。

記事は、「最近、日本のアニメ業界で非常に興味深い現象が起きている。

一方では話題作が次々と登場し、海外市場は拡大を続け、アニメイベントには大勢の来場者が押し寄せ、配信サービス各社も激しくコンテンツ獲得競争を繰り広げている。しかしもう一方で、多くのアニメ会社の決算は目を覆いたくなるほど厳しい内容となっている。KADOKAWAは利益が大幅に減少し、ポニーキャニオンの業績も悪化した。テレビ局系列のアニメ会社も利益が縮小し、さらには『ウマ娘 プリティーダービー』で知られるスタジオKAIですら赤字を計上した。しかし同時に、東宝と東映アニメーションは大きな利益を上げている。同じアニメ業界に属しながら、なぜ明暗がこれほど分かれるのだろうか。これらの決算をまとめて見ると、ある事実がはっきり見えてくる」と述べた。

そして、「日本のアニメ産業そのものは衰退していない。本当に終わりを迎えつつあるのは『アニメを作りさえすれば誰かが買ってくれる時代』なのである。日本のアニメ業界は今厳しい変革期を迎えている。アニメ会社の赤字を見ると、多くの人はアニメ業界そのものが不振なのではないかと考えるが、実際は逆なのだ。日本動画協会が発表した『アニメ産業レポート2025』によれば、日本アニメ産業の市場規模はすでに3兆8400億円に達し、4兆円の大台まであと一歩のところに迫っている」と説明した。

一方で、「市場が大きくなったからといって全員がより多くの利益を得られるわけではない。大きな利益を手にする企業もあれば、市場から退場しかねない企業もある。日本のアニメ産業は現在『業界全体が成長する時代』から『勝者と敗者が明確に分かれる時代』へ移行しつつあるのだ。かつては多くの企業が共に利益を得ることができた。しかし今後は、一部の企業だけが大きく利益を上げる構造になっていく可能性が高い」と分析した。

記事は、「20年前、新作テレビアニメは年間およそ100本程度だった。しかし現在では300本近くに達し、本数は約3倍に増えている。表面的には業界が繁栄しているように見えるが、アニメーターの数も制作会社の数も急激には増えていないにもかかわらず、作品数だけが3倍に増えた。その結果、業界全体で人材や制作スケジュール、外注先、制作リソースの奪い合いが激化し、制作費は急上昇していった。問題は、そのコストをどこで回収するのかという点である」と言及した。

そして、「以前なら配信サービスに販売すればよかったのである。Netflix、Crunchyroll、Disney+ といった配信プラットフォームがアニメ市場へ本格参入したことで、一時期はまさに黄金時代とも呼べる買い付け競争が起きていた。

当時は、配信権料だけで制作費の7~8割を回収できる作品も珍しくなかった。その結果、アニメさえ作れば高値で購入され、利益も出せるという考え方が業界全体に広がった。しかし、どのような追い風も永遠には続かない。配信サービスによる特需はすでに頭打ちとなり、各社は以前ほど積極的に資金を投じなくなった。市場の構図がおおむね固まり、彼らは投資対効果をより重視するようになったのだ。これこそが、KADOKAWAの業績悪化の背景にある要因の一つだと考えられている」とした。

また、「過去十数年にわたり、KADOKAWAはまるで工業製品の生産ラインのような仕組みを築き上げてきた。ライトノベルを連載し、漫画化し、さらにアニメ化し、グッズを販売し、メディアミックス展開を行う。この一連の手法は長らく大きな成功を収めてきた。特に異世界作品は『成功の方程式』とまで呼ばれる存在となった。しかし、誰もが同じ成功パターンを模倣し始めれば、その優位性は失われるのである」と説明した。

さらに、「KADOKAWAがコンテンツ工場の代表だとするなら、東宝は『知的財産(IP)帝国』の代表である。

多くの人は東宝をアニメ映画の制作会社だと考えているが、それは一面的な見方に過ぎない。東宝の真の強みは、アニメをゴールではなく出発点として活用している点にある。例えば『呪術廻戦』がヒットすれば、ライセンス販売を行い、展示会を開催し、企業とのコラボを展開し、期間限定ショップを出店し、舞台化を行い、さらに海外市場も開拓する。『ゴジラ』が成功すれば、映画を作り続け、ゲームを展開し、関連グッズを販売し、各種イベントも開催する。一つの作品を10年、20年、あるいはそれ以上にわたって繰り返し活用するため、利益も絶え間なく生み出されるのである。東宝にとってアニメは利用者を引きつける広告にすぎず、その後に広がるビジネス展開こそが本当の収益源なのだ」と論じた。

そして、「東映アニメーションはさらに特殊な存在である。東宝が利益を生み出すことにたけているとすれば、東映アニメーションは長期間にわたり市場を支配することにたけている。同社が保有する『ドラゴンボール』『ONE PIECE』『デジモンアドベンチャー』『ゲゲゲの鬼太郎』『プリキュア』シリーズ を見れば一目瞭然である。これらはいずれも非常に寿命の長い作品であり、20年、30年続いているものもあれば、40年以上続いているものもある。さらに驚くべきことに、それらは今なお利益を生み続けている。つまり、東映アニメーションは毎年新作に大きな賭けをする必要がない。

他社が新作ヒットを狙って勝負している間に、東映アニメーションは既存作品から安定的に収益を得ているのである」と述べた。

記事は、「業界の変化を見ると、しばしば『日本アニメは終わった』という声が聞かれる。しかし実際にはそうではない。市場は拡大を続けており、海外ファンも増加している。世界における日本アニメへの需要は、むしろ過去より高まっている。変わったのは、利益の生み出し方だけだ。今回の決算が示しているのは、アニメ業界の競争ルールそのものが変わったということである。かつては『誰がアニメを作れるか』が勝負だった。しかし今後は『誰が作品を運営できるか』が勝負になる。言い換えれば、アニメ会社は徐々にIP運営会社へと変貌しつつあるということだ」と強調した。

その上で、「アニメを制作することしかできない会社は、今後ますます厳しい状況に置かれるだろう。一方で、IPと資本、流通網、そして世界市場を握る大企業は、さらに強大になっていく。

したがって、本当に終わったのは日本アニメの黄金時代そのものではない。終わったのは『アニメを作りさえすれば儲かった黄金時代』の方である。これからの10年、日本のアニメそのものが減ることはないだろう。しかし最後まで勝ち残り、笑うことのできるプレイヤーは、ますます少なくなっていくに違いない」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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