言葉というものは時代とともに変化するもので、新たな単語が次々と誕生している。これは中国でも同様で、数年前から若者の間で「顔値」という単語がよく使われるようになり、いまではすっかり定着した。
これは顔立ちのレベルのことを指しており、日本語に訳すならば「顔面偏差値」といった意味になる。この「顔値」は人間の世界だけでなく、「魚」の世界でも重視されているようだ。

 中国メディアの快資訊はこのほど、日本の錦鯉が超高額で取引されていると紹介する記事を掲載した。270万元(約4600万円)で販売された錦鯉もあるが、価格の決め手は「顔値」だという。

 記事は、錦鯉業界では鯉の色やサイズが価格を決める重要な要素になっていると紹介した。特に色が重要で、例えば紅白の錦鯉の場合、赤色と白色の「質」の違いで価格が大きく変わるそうだ。
これに体形の良さが加わると非常に高値になると伝えた。

 逆に、見た目があまり美しくない錦鯉は「淘汰」されるという。錦鯉の初心者によって飼育される程度で、「全く価値がない」そうだ。このため、中国のネットユーザーからは「なんでも顔値で価値が決まる時代なのか。外見で運命が決まってしまうのだな」、「魚1匹が家1軒と同じ値段だなんて」など、驚きの声が出ていると伝えた。

 中国では錦鯉は非常に縁起が良いものとされており、富裕層の間で人気になっているだけなく、スラング的に「強運の持ち主」という意味も持っていて、2018年には流行語にも選ばれている。
中国での錦鯉人気は当分続きそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)