利益確定売りが継続する流れ。ハンセン指数は今月中旬から上昇ピッチを速め、先週後半は一時、約1カ月半ぶりの高値水準を回復した。また、今週は28日に香港で政府予算案演説、3月1日に中国で官民が今年2月の製造業PMIをそれぞれ公表することもあり、積極的な売買も手控えられている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕3月5日が視野に入ってきたことで、追加の経済対策に対する期待感も高まっている。指数はプラス圏で推移する場面もみられた。
ハンセン指数の構成銘柄では、スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が3.8%安、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が2.6%安、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が2.4%安と下げが目立った。
セクター別では、有料道路など交通インフラ関連が安い。四川成渝高速公路(107/HK)が4.7%、安徽皖通高速公路(995/HK)と江蘇寧滬高速公路(177/HK)がそろって3.4%、浙江滬杭甬高速公路(576/HK)が2.8%ずつ下落した。
中国の金融セクターもさえない。中国農業銀行(1288/HK)が2.4%安、中国銀行(3988/HK)が1.6%安、中国人寿保険(2628/HK)と中国平安保険(2318/HK)がそろって2.1%安、中国国際金融(3908/HK)が2.3%安、中信証券(6030/HK)が1.8%安で引けた。
半面、中国自動車セクターは高い。
他の個別株動向では、電車・自動車部品メーカーの株洲中車時代電気(3898/HK)が8.9%高。同社が23日引け後に公表した通期決算(速報)は、中国の景気持ち直しを追い風に、純利益が前年比で21.5%増加した。
一方、本土マーケットは9日営業日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.93%安の2977.02ポイントで取引を終了した。金融株が下げを主導。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)