森保一監督は前キャプテン・吉田麻也と現キャプテン・遠藤航の先発起用を明言。
一つの解決策は本職である鈴木唯人を起用することだ。だが、ご存じの通り鈴木は右鎖骨骨折から回復途上の真っ只中。アイスランド戦に関しては、所属のフライブルクから出場NGが出ている模様で、この一戦は欠場ということになるはずだ。となると、別の選手を起用するしかない。森保監督は前日会見で「明日の試合に関しては(伊東)純也をそのポジションで使っていきたいなと思っています」と明言。「(3月の)イングランド戦では右シャドーでやってくれましたけど、そこにはタケ(久保建英)も戻ってきてくれましたし、コンビネーションの確認という部分では、今のところ純也を考えています」と力を込めたのだ。
当の本人も覚悟ができている様子だ。
「仮に左ウイングバックだったとしても、ちょっと景色は変わりますけど、今季はチームで左ウイングバック的な役割を結構やっていたので初めてではない。イメージはできますね。左シャドーはこれまで何回もやったことがありますし、別に左と右が変わったくらいなら特に変わらない。むしろ左の方がよりシュートを打てるかなという気がします」と33歳のスピードスターはどこまでもポジティブだ。
まさに“究極のマルチプレーヤー”。どういう使い方をしても高いレベルで仕事をしてくれる伊東の存在は、日本代表攻撃陣の安心感を高めてくれている。森保監督自身も「純也がいてくれて本当に助かった」というのが本音ではないか。実際、伊東が左シャドーに入れば、持ち前のスピードと局面打開力で数多くのチャンスをクリエイトできる。右に久保が入った場合は、精度の高いラストパスの供給が期待できるだけに、伊東がフィニッシャーとしてゴールに絡む回数も増えそうだ。
アイスランド戦で中村が左ウイングバックに陣取る場合には、伊東と中村が臨機応変に立ち位置を入れ替えながら効果的な攻めを繰り出せる。
「敬斗とは長年やっていましたし、プレースタイルも分かってます。どういう感じで動くのかなというのも理解しているので、やりやすいですね」と伊東も前向きに言う。背番号14を中心としたスムーズな連携が確立できれば、南野・三笘不在のマイナス影響も最小限にとどめられるはず。まずはそのメドをしっかりと立てたい。
そのうえで、左シャドーに中村、前田大然、後藤啓介、塩貝健人らが入るという異なるオプションを作っていければ、本大会突入後も多彩なバリエーションで戦えるようになる。残された準備時間は少ないが、アイスランド戦の90分間を最大限有効活用したいところ。いずれにしても、伊東は左シャドーのみならず、攻撃のあらゆるポジションで暴れ回ることが強く求められているのだ。
「W杯もどのくらい出るか分からないですけど、全部出るつもり。個人的にはいつでも行けると思っているので、どこでチャンスが来ても、しっかり自分のプレーをやりたいなと思います」。
取材・文=元川悦子
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