2026年4月13日、台湾メディア・中国時報は、台湾の特許薬支出割合が約4割にとどまっており、専門家が日本の経験に学ぶべきと提言していることを報じた。

記事は、台湾医薬品法規学会が12日に開催したフォーラムで、資誠連合会計士事務所(PwC台湾)の劉士瑋(リウ・シーウェイ)副総経理が22~24年の健康保険給付薬を分析した報告を示し、台湾の特許薬支出割合は約4割で、米国、オーストラリア、カナダ、日本、ドイツなど主要10カ国の6~9割を大きく下回ると説明したことを紹介した。

その上で、劉氏が日本のイノベーション新薬の保険給付比率が17年の54%から23年には64%へと向上した事例を挙げ、台湾も特許が切れた薬を適切に市場から撤退させ、節約された予算を新薬導入に還流させるべきと指摘したことを伝えている。

記事はまた、同学会の康照洲(カン・ジャオジョウ)理事長が、トランプ米政権の関税政策と最恵国待遇薬価(各国の最安値に合わせる薬価設定)によって製薬各社が潜在力のある市場に資源を集中させ、低価格市場が辺縁化されていると論じ、台湾の市場成長率が世界平均を下回れば製薬会社の投資魅力が低下し、新薬導入の遅延を招く恐れがあると警告したことにも言及した。

さらに、台湾の新薬支出比率が国際水準に遅れている主因について康氏が、健保の薬剤費構造に問題があり、資源が特許切れ薬に集中していると分析したことも紹介している。

記事は、康氏が示した4大政策提言として、新薬予算の拡大と年度成長目標の設定、「新薬の一部自己負担」導入による薬価・支払い制度の改革、科学的根拠に基づく審査機能の強化、給付までの待機時間や患者の健康アウトカムなどを指標とするKPIの設定を挙げた。

このほか、フォーラムでは衛生福利部中央健康保険署の陳亮妤(チェン・リャンユー)署長が、100億台湾ドル(約501億円)規模の「がん新薬基金」を実現したこと、昨年末から準備中の「健康政策・医療技術評価センター」が立法院の超党派支持を得て早ければ下半期に発足し、新薬の並行審査加速とリアルワールドデータに基づく評価を担う見通しであることを明かしたと伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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