2026年5月31日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、米国製薬大手の中国バイオ企業への依存が深まり、米国議員が安保上の懸念から投資制限を求めていると報じた。
記事は、昨年に世界で5000万ドル(約80億円)以上の規模で行われた大手製薬会社のライセンス取引のうち、48%が中国企業と締結されたものであったと紹介。
また、昨年に米国を含む多国籍製薬会社と中国のバイオテクノロジー企業との間のクロスボーダー技術ライセンス取引の総額は約1360億ドル(約22兆円)に達したと伝えた。
そして、具体的な例として、ファイザーが中国の信達生物に対し、複数の抗がん剤開発のために6億5000万ドル(約1000億円)を支払うと発表したほか、ブリストル・マイヤーズスクイブが中国の恒瑞医薬に対し、医薬品代金として最大9億5000万ドル(約1500億円)を支払う合意を締結したことに触れた。
ほかにも、アッヴィ、アストラゼネカ、イーライリリー、ノバルティス、サノフィが、医薬品購入のために中国企業に対して累計で25億ドル(約4000億円)の前払金を支払っていると伝えた。
さらに、米国食品医薬品局(FDA)のマーティ・マカリ(Marty Makary)前局長が在任中だった4月に、中国での第1相臨床試験の開始数が米国の4倍であると述べ、中国を「医薬品分野におけるわれわれの最大の脅威」との認識を示していたことにも言及している。
記事はその上で、共和党のジョン・ムーレナー下院議員がベッセント財務長官に書簡を送り、米国の資本と技術が中国のバイオテクノロジー分野に危険なほど流入しているとして、バイオテクノロジーを「2025年全面対外投資国家安全保障法」の対象に含め、医薬品の知的財産権ライセンス取引を禁止技術として早急に指定するよう求めたと伝えた。
一方で、RAキャピタルのピーター・コルチンスキー マネージング・パートナーは、レアアースや半導体で用いた戦術がバイオテクノロジーにも有効だと誤認すべきではないとして、バイオテクノロジー業界を国家安全保障法の対象に含めることは逆効果であり、米国市場に前例のない壊滅的な打撃を与えると述べたと伝えた。(編集・翻訳/川尻)











