◆JERAセ・リーグ 中日4―2巨人(9日・バンテリンドーム)

 乗れない巨人が3連敗で、4月7日以来のBクラスとなる4位に転落した。先発・田中将大投手(37)に苦境打開を託したが5回5安打4失点で今季初黒星。

5回には挟殺プレーの中で自らの走塁妨害により失点するなど、同世代の中日・大野との投げ合いに敗れた。4カード連続の負け越しは阿部政権では初めてで、4月3日以来の借金1。8回、不振による2軍調整から帰ってきた丸佳浩外野手(37)が、代打で16年連続アーチとなる1号2ランを放ったのが、数少ない光明だった。

 沈黙していた左翼席のG党に息を吹き込んだのは、帰ってきたベテランのバットだった。三塁ベースを回った丸が、自軍ベンチに向かって右手の指でミニ版「マルポーズ」を作る。「いい形で打てたかな」。右中間のテラス席へ1号2ラン。16年連続アーチで、不振からの目覚めを告げた。

 0―4の8回1死一塁から代打で登場。カウント1―2から杉浦の低めフォークを2球見極め、151キロ直球を狙い澄ました。4月20日の抹消から2週間あまり過ごしたファームでは、広島時代に打撃コーチだった石井2軍監督と意見交換し、代名詞である、グリップを上下動させるヒッチなど体を大きく使うフォームに修正。1軍復帰初打席アーチに「石井監督をはじめファームのコーチ、スタッフの皆さんが少しでも喜んでくれたら」と感謝が口をついた。

 弾丸で名古屋に駆けつけた。前日8日のファーム・リーグのロッテ戦(ZOZO)にフル出場。ナイターの試合後に昇格が決まり、朝一番の新幹線に飛び乗った。球場入りは練習開始まで30分を切った午前11時過ぎ。「移動? ヘリコプター、夜行バス、バイク便かもしれない」と“丸節”で笑いを誘ったが、1軍合流からわずか5時間後の一発だった。

 “怖い丸”が帰ってきた。昨季の6本塁打と40四球は19年の巨人移籍後最少。「甘くいったらガツンといかれるというのがないと四球が少なくなってくる」とオフから長打復活をテーマに振り込んできた。通算290号は、パワー健在を示すに十分だった。

 チームは4カード連続の負け越しで4位後退。5月の8戦で平均2得点にとどまる打線の起爆剤として期待がかかるが「責任を背負いこむのは得意じゃない。僕のやり方でやるだけ」。

丸がらしさを取り戻せばすなわち、打線の破壊力は格段に増す。

(内田 拓希)

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