次代を担う逸材たち~アマチュア野球最前線 第5回
専大松戸・門倉昂大
大阪桐蔭の4年ぶり5度目の優勝で幕を閉じた選抜高校野球大会。わずか2週間足らずの大会だったが、その間に大きく成長を遂げた選手がいた。
たとえば、大阪桐蔭の優勝に貢献した2年生サウスポーの川本晴大や、準優勝の立役者となった智辯学園(奈良)のエース・杉本真滉(まひろ)がそうだ。
そして、チームを初の準決勝へと導いた専大松戸(千葉)のエース・門倉昂大もそのひとりである。持丸修一監督も「この大会で一番成長した」と目を細めた。
【チームを甲子園初のベスト4へ】
1回戦の北照(北海道)戦では、9回を投げて被安打4、奪三振6の完封勝利。2回戦の九州国際大付(福岡)戦では、5回途中からマウンドに上がり無失点に抑えた。つづく準々決勝の山梨学院戦でも完投勝利を挙げ、初のベスト4入りの立役者となった。
その選抜で、大会最高齢となる77歳で指揮を執った持丸監督は、門倉をこう評価する。
「チーム全体としてメンタルは強くなりましたが、なかでも一番は門倉ですね。それによって技術も上がってきました。甲子園に来るまでは、ストレートの最速が140キロ前後でしたが、今では140キロ台中盤が出るようになりました。スライダーがいいし、すべての球種をコントロールよく投げ込めるようになりました。冬の鍛錬の成果が出たのか、それとも甲子園という舞台がそうさせたのかもしれませんね」
一方、門倉自身は選抜での活躍についてこう分析する。
「なぜかはわかりませんが、自分でも成長を実感しています。
門倉が大きく成長したきっかけとなったのが、昨年秋の関東大会準決勝での山梨学院戦だ。この試合に敗れたことで、新しい武器を身につけようと考えたという。
「秋まではストレートとスライダーを軸に投球を組み立てていましたが、(右打者の)アウトコースを狙われることが多くありました。球種が2つしかないと、どちらかの調子が悪い時に打たれてしまうため、投球の幅を広げる目的でフォークボールを磨いてきました。冬場の練習から多く投げるようにしました。大きな落差があるわけではありませんが、打者がバットを出すポイントで落ちるのが持ち味です」
【指揮官が語る夏に向けての課題】
選抜ではそのフォークが冴え、準々決勝で山梨学院に関東大会のリベンジを果たした。ただ、投打"二刀流"で話題を集めた菰田陽生(はるき)は、初戦の長崎日大戦で骨折したため、専大松戸との試合は欠場。対戦することができなかった。
「秋の山梨学院戦は、自分が打たれて負けてしまったので、リベンジしたいと思っていました。
準決勝の大阪桐蔭戦、先発のマウンドに上がったのは2年生左腕の小林冠太だった。門倉は4回途中から登板したが、7回に1点、8回にも1点を許し、2対3で敗れた。
試合後、持丸監督は穏やかな表情でこう語っていた。
「子どもたちに勇気を与えられていたら、もっといい試合ができたのではないかと思います。それが少し残念でした。準決勝まで勝ち上がったチームは、いずれも優勝経験のあるところばかりで、優勝経験がないのはウチだけだと聞いていました。だからこそ、なんとか頑張ろうと思っていたんです。なんとかしてやりたかったのですが、一歩及びませんでした。子どもたちにチャンスをもらったにもかかわらず、勝利を届けられなかったことが悔しいです」
そして門倉の課題について聞かれた持丸監督は、こう答えた。
「やっぱり決め球ですね。
門倉は言う。
「レベルの高い相手にも通用することがわかったので、夏までにもう一段階レベルアップしたいです。左打者に対しては、インコースのスライダーと外に逃げるフォークがカギになります。今日はそこに投げきれなかったので、この2つのボールをさらに磨いていきたいです」
この夏、千葉大会は150校近い出場が見込まれている。全国でも屈指の激戦区を勝ち抜いた時、門倉はもっと大きくなっているはずだ。










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