「橘玲」のニュース (117件)
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[橘玲の世界投資見聞録] 華僑の国シンガポールにチャイナタウンがある謎
シンガポールをはじめて訪れたとき、なぜチャイナタウンがあるのか不思議だった。その頃は、香港とシンガポールは同じようなところだと思っていた。香港に住んでいるのはほとんどが広東人で、彼らはみんな“中国人”...
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作家・橘玲×増原義剛対談 改正貸金業法は失敗だった! ポピュリズムに毒された政治の敗北
「多重債務者救済」「弱者救済」を旗印に、改正貸金業法が完全施行され、2年が経過した今、約500万人の健全な利用者の多くが行き場を失っているという。当時、法律立法に携わった元自民党・金融調査会小委員会委...
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[橘玲の世界投資見聞録] 台湾・金門島と中国・厦門、それぞれのアイデンティティ
金門島は、中国・福建省の港町アモイからわずか2キロほどしか離れていない。日本統治時代の台湾とは、台湾本島と澎湖島のことで、金門島や(同じく福建省の沿岸にある)馬祖島は含まれていなかった。だが国共内戦に...
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先進国で強まる課税逃れ防止策の強化とタックスヘイヴン [橘玲の世界投資見聞録]
2015年7月に出国税の適用が始まり、国外財産調書の申告漏れや虚偽記載にも罰則が科せられるようになった。こうした規制強化は日本だけのことではなく、アメリカやヨーロッパなどOECDに加盟する先進国はどこ...
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バチカン市国「神の資金」を扱う闇の男たち -前編- [橘玲の世界投資見聞録]
前回、ロンドンの中心部にある金融街シティが中世から続く“自治権”を有し、「国家のなかのもうひとつの国家」になっていることを紹介した。同様にヨーロッパには、複雑な歴史的経緯のなかで「主権」や「自治権」と...
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日本人には理解できない中国人の「郷党意識」の功罪 [橘玲の世界投資見聞録]
岡田武史氏が、中国スーパーリーグ杭州緑城の監督を今期かぎりで退任した。1年目は16チーム中11位(9勝9分け12敗)、今期は12位(8勝10分け12敗)という成績だったにもかかわらず、選手やサポーター...
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映画『ゴッドファーザーPART3』に描かれたバチカン・スキャンダル [橘玲の世界投資見聞録]
ここまで何回かバチカン銀行と“神の銀行家”ロベルト・カルヴィの死をめぐる複雑怪奇な金融スキャンダルについて述べてきたが、最後に、この事件を題材にした映画や小説などを紹介してみたい。[参考記事]●バチカ...
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アイデンティティ主義がもたらす さまざまな不愉快な出来事の原因と解決策 [橘玲の世界投資見聞録]
2075年、アメリカは環境破壊のためにフロリダをはじめとする沿岸地域が水没しつつあった。そのため化石燃料の使用を全面禁止する法案が成立したが、これに反発したジョージア、アラバマ、ミシシッピの南部三州が...
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宮沢賢治も訪れた旧日本領・サハリンに 統治時代の面影はかろうじて残っているのみ [橘玲の世界投資見聞録]
プーチン大統領の鶴の一声で、ロシア・ワールドカップで発行されたFANIDの効力が年内いっぱいまで延長にされたため、それを利用して9月にサハリン(樺太)のユジノサハリンスク(豊原)に行ってきた。忘れない...
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最後発の日本と違い、大航海時代から始まった植民地支配を いまさら「反省・謝罪」をしない欧州・フランスの事情 [橘玲の世界投資見聞録]
前回の記事を掲載したあとに、ベルギーでIS(イスラム国)による同時テロが発生し、空港と地下鉄で30人以上が死亡する惨事となった。世界でもっとも安全なはずのヨーロッパでテロが頻発するようになった理由はさ...
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ヨーロッパだけでなくアメリカにも賛同者がいる ホロコースト否定論の根拠とは? [橘玲の世界投資見聞録]
アメリカのホロコースト研究者デボラ・E・リップシュタットは、ホロコースト否定論者の系譜を研究した『ホロコーストの真実』(恒友出版)でイギリスの歴史家、デイヴィッド・アーヴィングの名誉を棄損したとして訴...
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映画『否定と肯定』でわかった ホロコースト否定論者と戦うことの難しさ [橘玲の世界投資見聞録]
2017年に日本で公開されたイギリス・アメリカ合作映画『否定と肯定』は、イギリスの歴史学者デイヴィッド・アーヴィングから訴えられたアメリカのホロコースト研究者デボラ・E・リップシュタットと弁護士たちの...
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アウシュヴィッツを強調することは ホロコーストを矮小化すること [橘玲の世界投資見聞録]
ポーランド、クラクフ郊外のアウシュヴィッツ、ベルリン郊外のザクセンハウゼン、ミュンヘン郊外のダッハウ、プラハ郊外のテレジーンの強制収容所を訪れて、ホロコーストについてはなんとなくわかったつもりになって...
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「甘いものを食べながら聞いた言葉は甘く感じる」 恋愛やビジネスに使える最新脳科学 [橘玲の日々刻々]
今回はちょっと趣向を変えて、すぐに役立つ知識をお教えしましょう。「あたたかな気持ち」「高い地位」などの言葉を私たちは当たり前のように使っています。「蜜のような甘い言葉」は、愛の囁きの比喩として、誰でも...
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ソニーはいかにして凋落したのか? 日本企業の「タコツボ化」の考察 [橘玲の日々刻々]
ベトナムを訪れるようになったのは2000年代のはじめだが、当時でも外国人旅行者が泊まる高級ホテルには液晶テレビが据えつけられていた。メーカーはLGかサムスンで、日本製のテレビはホーチミンでもハノイでも...
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コサックのアイデンティティは「ロシア正教」と「愛国」 ウクライナでの武力行使に深く関わる特異な集団 [橘玲の世界投資見聞録]
サッカー・ワールドカップに合わせてロシアを旅し、日本×ベルギー戦が行なわれたロストフ・ナ・ドヌを訪れた話は以前書いた。「ドヌ」は「ドン(川)の」という意味で、「ドン川沿いのロストフ」になる。ロシアには...
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モロッコの砂漠でであったほんものの「ノマド」 [橘玲の世界投資見聞録]
ずいぶんむかしの話だが、私が大学生の頃はポストモダンというのが流行っていて、みんなが「スキゾ」とか「パラノ」とか呪文のように繰り返していた。「スキゾ」はスキゾイド(統合失調症)、「パラノ」はパラノイア...
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極右もみんなリベラルになった社会で 「保守派」の役割を考える [橘玲の世界投資見聞録]
前回、「世界でいちばん幸福な国」デンマークの“右傾化”について書いた。デンマーク国会で、難民申請者の所持金や財産のうち1万クローネ(約17万円)相当を超える分を政府が押収し、難民保護費に充当するという...
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リベラル化した欧州で「リベラルでないもの」に 分類されたイスラームを排除する論理 [橘玲の世界投資見聞録]
今回はフランスの人類学者エマニュエル・トッドの『シャルリとは誰か?』(文春新書)を参考に、移民問題で混乱するヨーロッパについて考えてみたい。トッドはいま、この本によって「多くの侮辱」を受け、フランス国...
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ヨーロッパの若い女性がISに渡ろうとする理由とその末路 [橘玲の世界投資見聞録]
イラク領土内においては、イラク軍、クルド軍、米軍の共同作戦によるIS(イスラム国)支配地の奪還作戦がほぼ完了し、世界の注目はクルドの独立問題に移っている。だがISが残したさまざまな傷跡は、いまもほとん...
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[橘玲の世界投資見聞録] インドネシア・東南アジアにはびこる“汚職”という文化
新興国では常に汚職が問題になる。東南アジアでも、シンガポール以外のすべての国で贈収賄が当然のように行なわれている。ここでインドネシアを取り上げるのは、スハルト独裁政権の崩壊(1998年)と民主化によっ...
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欧州の排外主義に対する経済学的な処方箋は 「移民への課税」と「二級市民化」だ
イギリスのEU離脱、トランプ大統領誕生、ヨーロッパで台頭する極右……などを論ずるときに、その背景にある格差の拡大に注目が集まるようになった。セルビア系アメリカ人の経済学者で、世界銀行の主任エコノミスト...
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[橘玲の日々刻々] 週刊朝日の「同和地区の特定」謝罪は、正しかったのか?
「ハシシタ奴の本性」について、『週刊朝日』に編集長の「おわび」が掲載された。今後は第三者機関が記事掲載の経緯を検証し、結果を公表するという。結論が出るまでにはかなり時間がかかるだろうが、今後の議論の参...
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[橘玲の日々刻々] アイリス・チャンが死んだ日
2004年11月9日、アイリス・チャンは車の中で口に銃口をくわえ、引き金を引きました。といっても、ほとんどのひとは彼女のことを知らないでしょう。中国系アメリカ人2世として生まれたアイリスは、大学でジャ...
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デンマークの白人男性・モートンがイスラム教に改宗し、 やがてスパイとなった理由 [橘玲の世界投資見聞録]
アンナ・エレルの『ジハーディストのベールをかぶった私』は、フランス人の女性ジャーナリストがジハーディストとの結婚に憧れる若い(白人)女性に扮し、インターネット上でIS(イスラム国)幹部と接触を試みた稀...
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オルドスのある内モンゴル自治区の省都、フフホトにもあった鬼城 [橘玲の世界投資見聞録]
中国の不動産バブルを象徴する鬼城(ゴーストタウン)として第一に挙げられるのは、内モンゴル自治区のオルドスだ。経済成長にともなう石炭の値上がりで巨額の資金を手にしたオルドス市政府は、市街地の人口が30万...
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懲罰的な意味合いの強い日本と違う 幸福度世界第3位のデンマークの「自己責任」論 [橘玲の世界投資見聞録]
日本ではこのところずっと、「格差」と「自己責任」が議論になっている。社会学者・橋本健二氏は『新・日本の階級社会』のなかで、SSM調査(1955年以来、10年に一度、全国規模で無作為抽出によって実施され...
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‐幸福の資本論1‐ 「幸福な人生」を実現するために必要なものとは?
作家・橘玲の話題の新刊『幸福の「資本」論』発売を記念してお送りする2回連載の1回目。今回は、「幸福」を定義するために必要なインフラについて。「幸福」とはなにか?その答えを論理的に考えます。「幸福」とは...
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流刑地シベリアをめぐる壮大な悲劇 [橘玲の世界投資見聞録]
シベリアに60万人を超える旧日本兵が抑留された話を書いたが、これがシベリアをめぐるより巨大な悲劇の一部だということもここで述べておきたい。[参考記事]●遠くシベリアの地に眠る国家に見捨てられたひとびと...
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中国・鶴壁市、典型的な地方都市に作られた 巨大な鬼城--ゴーストタウン---- [橘玲の世界投資見聞録]
これまで内モンゴル自治区オルドス、河南省鄭州、天津市と中国の不動産バブルを見てきたが、今回は鬼城がどのように発達していくのかを考察してみたい。例に挙げるのは河南省の地方都市・鶴壁(かくへき)だ。とはい...