『おかえりモネ』第3週「故郷の海へ」

第14回〈6月3日(木)放送 作:安達奈緒子、演出:梶原登城〉

『おかえりモネ』りょーちん、色気ダダ漏れ!百音と明日美の女子トークを寝たふりして聞く未知が甘酸っぱい
イラスト/AYAMI
※本文にネタバレを含みます

お盆の法事で集まったモネこと百音(清原果耶)の同級生たち、及川亮(永瀬廉)、野村明日美(恒松祐里)、早坂悠人(高田彪我)、後藤三生(前田航基)はその晩、百音の家に泊まる。

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明日美と女子トークしながら昔のことを思い出す百音。それは2011年3月11日のことだった。その日、百音は父・耕治(内野聖陽)と一緒に仙台に行っていた。時計は14時46分――緊張感が高まる。

幼いモネから中学生のモネまで一気に

朝ドラあるあるで、「別の話がはじまった」というものがある。長丁場なのでメインストーリーから外れ、ムードが変わることもある。最近はそれを本編にスピンオフを組み込んだ特別編として明確に分けて放送したりもするようになった(例:『エール』『スカーレット』など)。

脇役にスポットが当たった話や、ちょっとした単独エピソードを描くものだが、『モネ』第14回は百音の回想で、時代は逆行しつつも今(2014年に)繋がってはいる。2歳の百音(池村碧彩)、幼稚園の百音(吉田帆乃華)、小学校2年の百音(池村咲良)、小学高学年の百音(櫻井歌織)と中学時代の百音(清原果耶)と5代もの百音が一気に出てきて、今の百音を形作るものを描く重要回になった。

このトーンがこれまでとまるで違う。十代の青春映画――主人公が吹奏楽部を立ち上げ、友人たちと青春を謳歌する物語が、透明感ある画調で描かれた。

幼い頃から父に似たのか、音楽が好きな百音は、父に習って楽器をはじめた。中学に入ると、百音は級友を半ば強引に誘って吹奏楽部を作る。そこまでのエピソードが短く組み合わされて、2時間の映画のダイジェストみたいに一気に描かれた。各エピソードののりしろまで感じさせるような贅沢な作り。スピンオフとして百音の中学時代を描いたスペシャルドラマを観たくなった。

これだけ違う印象を受ける内容(画面も含め)を観ていると、それだけ今の百音はあの頃の幸福を失っていることを痛感する。この落差がどれだけ辛いことか。『モネ』では別世界のような大きな差を描かないわけにはいかなかったのだろう。生まれたときから明るい未来しかなくて、前を向いて歩いてきて、毎日笑顔で家族にも友人にも恵まれてきた百音。でも今はーー。

お父さん子の百音

回想シーンを観ると、モネの傍にはいつも父の姿がある。母・亜哉子(鈴木京香)の影はわりと薄い。朝ドラのお父さんは頼りない人が多く、ヒロインがこれだけお父さん子というのも珍しい。どちらかというと、母と娘を強めに描いているものが多いのである。とはいえ、実は朝ドラ第1作『娘と私』はめっちゃ娘を溺愛する父が主人公で、それを踏まえると『モネ』は朝ドラの正当な血を受け継いでいるともいえる。

父と娘。父は百音の音楽活動を応援し、吹奏楽部にも協力する(本人が音楽やりたいだけって感じだが)。やがて進路を決める頃になり、父は音楽コースのある高校に入ることを勧める。仙台で受験。そのときも父が付いていく。

『おかえりモネ』りょーちん、色気ダダ漏れ!百音と明日美の女子トークを寝たふりして聞く未知が甘酸っぱい
写真提供/NHK

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