review

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第21回 試練の週になりそうな第5週は上白石萌音の名演技でスタート

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第5週「1946〜1948」

第21回〈11月29日(月)放送 作:藤本有紀、演出:橋爪紳一朗〉

写真提供/NHK

※本文にネタバレを含みます

※朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第22回のレビューを更新しましたらTwitterでお知らせしています


冒頭から上白石萌音の名演技

第3週は1942〜1943、第4週は1943〜1945、第5週は1946〜1948と1〜2年刻みで進んでいる。

【レビュー一覧】朝ドラ『カムカムエヴリバディ』のあらすじ・感想(レビュー)を毎話更新(第1回〜21回掲載中)

稔(松村北斗)の戦死の報せを受けて神社で泣き濡れた安子(上白石萌音)。それから半月経過して、そのまま稔の死を抱えて生きていく。

「涙がかれ果てるまで泣き暮らしました」というナレーション(城田優)のあと、安子は泣く代わりに己の肉体をガッとはたく。涙もなくなるほどの果てしない砂漠のような乾き、やりきれない怒りのようなものを身体の痛みで表現する。

激しい感情を表現するために自分の体を思い切り叩くことは舞台でよく行われる手法である。比較的、男の俳優がやることが多い印象があるこのアクションを上白石萌音が、それもテレビドラマでやったことでインパクトがあったし、俳優としての貫禄を感じさせた。

「疫病神じゃ」美都里、安子をなじる

安子の肉体を貫く痛みのように、次々と安子を苛(さいな)む出来事。姑の美都里(YOU)は愛する息子を失ったショックで安子に辛く当たるようになる。「稔はもう食べれんのよ」と嫌味を言ったり、安子がせっかく温め直したお味噌汁をはらいのけ、安子の大切なチョッキ(亡き小しずの編んでくれたもの)にかけたり。「あんたが殺したようなもんじゃ」「疫病神じゃ」と安子のせいで戦死したと言いがかりをつけたり。

でも安子は「あんまりです。そねん言い草はねえ思います」「私は稔さんの妻で、るいの母親です。どこへも行きません」と毅然と言い返す。

すっかり強くなった安子。「そねん言い草はねえ」とはなかなか言うよねえ〜という感じ。お菓子とおしゃれが大好きだった少女時代から激変した。短い時間で駆け抜けるように描かれる数年だったが、安子の成長はちゃんと積み重なったものに見える。

勇も苦しい

雉真家ではもうひとり苦悩している者がいた。勇(村上虹郎)である。戦争が終わって野球がまたできるかと思えば、大学を辞めて雉真繊維を継げと父の千吉(段田安則)に言われてしまう。野球がすべての勇にとって、それは身を切られるような辛さである。

唯一、幼馴染の安子と「塁」を想起する名前のるい(今井望鈴)の存在が勇の癒やしになっている。「るいが立った」とクララが立ったみたいにひととき喜んだりして……。

そんな折、安子に理解を示していた千吉が安子に再婚をすすめ、しかも、るいは雉真の子だから置いていけと言われていることを聞いてしまった勇は、安子にある提案を――。

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第21回 試練の週になりそうな第5週は上白石萌音の名演技でスタート
写真提供/NHK

『あさイチ』では博多華丸大吉と鈴木アナが“朝ドラ受け”で「勇む足(勇み足)」ではないかと心配していたが、勇の心境を想像すると、安子に特別の想いがあることもあるし、家に囚われるのは自分だけでいいという気持ちではないだろうか。安子がるいを連れて雉真家から出ることは勇の救いにもなる。


この記事の画像

「朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第21回 試練の週になりそうな第5週は上白石萌音の名演技でスタート」の画像1 「朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第21回 試練の週になりそうな第5週は上白石萌音の名演技でスタート」の画像2 「朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第21回 試練の週になりそうな第5週は上白石萌音の名演技でスタート」の画像3
編集部おすすめ

あわせて読みたい

レビューの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

もっと読む

レビューニュースランキング

レビューランキングをもっと見る

カムカムエヴリバディ

カムカムエヴリバディ

NHK「連続テレビ小説」第105作目。ラジオ英語講座と、あんこと野球とジャズと時代劇を題材に、3人のヒロイン(上白石萌音・深津絵里・川栄李奈)が、母から娘へとバトンをつなぐ三世代100年のファミリーストーリー。2021年11月1日~放送中。

お買いものリンク