湖北省の人々が陝西省からリンゴを売るためにやって来た男性に示した親切が最近、話題となり、ネットユーザーを感動させている。そして、「トラックに積まれたリンゴが、遠く離れた二つの都市を結び、互いに親切を示し合っている」といったコメントが寄せられている。

今年のメーデー5連休(5月1日から5日)中、陝西省漢中市洋県に住む男性・吉耀仲さん(44)は約4トンのリンゴを販売するために、トラックを運転して湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州咸豊県を訪れた。ところが、同県に到着した2日に体の不調を感じ、咸豊県中医病院の救急外来で診察を受けたところ、脳梗塞と診断された。

医師に入院するよう強く勧められたものの、吉さんはトラックに積んでいるリンゴが心配で、入院することを渋った。その後、家族が繰り返し説得した結果、吉さんは同日午後11時ごろになってようやく入院の手続きをした。そして、病院側は全力で治療に当たり、危険な状態を脱して、容態が落ち着いたという。

しかし、トラックに積んだリンゴを売る人が誰もいないという問題が残されてしまった。気温はどんどん上がっており、そのまま放置しておくと腐ってしまうため、吉さんの家族にとっては、吉さんの病気だけでなく、さらに追い討ちをかけられたような状態となってしまった。

吉さんの苦境を知った医療従事者の焦永高さんは、「病院には職員が数百人いるので、みんなで数キロ買えば、吉さんの家族の損失を少しでも軽減できるのでは」と考え、病院の上司のサポートを得て、病院の全職員に「可能であれば購入してほしい」とメッセージを伝えた。すると、病院の関係者だけでなく、微信(WeChat)のモーメンツを通して、そのメッセージが瞬時に広まり、咸豊県全域で「愛のバトン」が瞬く間につながれていった。

陝西省洋県と湖北省咸豊県が「恩返し合戦」、きっかけは約4トンのリンゴ―中国

その後、病院で庶務を担当するスタッフが、リンゴを積んだトラックを病院の入り口に止め、「臨時のリンゴ販売コーナー」を設置。値段は500グラム5元(約115円)に設定し、計量と支払いはセルフサービスでやってもらい、リンゴを実際に販売するという行動を通じて、援助の手を差し伸べた。

さらに、このことを知った咸豊県のボランティア協会のボランティアやデリバリーの配達員、そして親切心から集まった人々がリンゴを買いに次々とやってきた。

5日午前9時ごろに約4トンのリンゴは完売し、売り上げは約3万4000元(約78万2000円)に達した。吉さんは、「咸豊中医病院やたくさんの親切な市民が販売を手伝ってくれなかったら、少なくとも数万元の損失が出ただろう」と感激した様子で語った。

陝西省洋県と湖北省咸豊県が「恩返し合戦」、きっかけは約4トンのリンゴ―中国

そして6日、陝西省洋県はネット上で「湖北省恩施宛の手紙」を発表し、「咸豊県の皆さんの厚意に感謝し、7日から1年間、当県の全ての有料の観光スポットを恩施トゥチャ族ミャオ族自治州の市民を対象に入場料無料にする」とした。

この呼びかけを受け、咸豊県も翌7日午前にすぐに反応し、「咸豊県の全ての有料の観光スポットを7日から1年間、洋県の住民を対象に入場料無料にする」と発表した。

さらに、7日夜には、「恩返し合戦」がヒートアップ。恩施トゥチャ族ミャオ族自治州が文化観光公式アカウントで「陝西省漢中市全域の市民対象の文化観光優待策」を発表すると、8日午前には漢中市の文化観光アカウントが「恩施トゥチャ族ミャオ族自治州の州民を対象にした相応の優待策」を打ち出した。

ネットユーザーからは、「トラックに積まれたリンゴが遠く離れた二つの都市を結び、互いに親切を示し合っている。窮地を乗り越える手助けをしてくれた人を無料観光に招待するというのは、中国人の遺伝子に刻み込まれている善意。きれいごとを言うのではなく、実際の行動で善意を示している」といったコメントが寄せられた。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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