台湾では中国を訪問した米国のトランプ大統領が、中国の習近平国家主席と、両国関係を「建設的戦略安定関係」と位置付けたことなどを受け、今後の外交の指針についての意見が表明されるようになった。台湾には、米中台の関係を基盤に外交を構築せねばならない宿命がある。
国民党系シンクタンクの国政基金会は15日、「トランプ・習会談と台米中関係」と題するの最世論調査の結果を発表した。発表会に出席した専門家の多くは、台湾のこれまでの外交の手法を転換させる必要があると述べた。
元立法委員(台湾議会議員)の帥化民(シュアイ・ホアミン)氏は台湾防衛について、軍事での優勢さに頼って自衛することは困難になったと指摘し、米中および米台関係が格段に重要になったと述べた。帥氏はさらに「台湾社会には長らく、(中国が軍事侵攻すれば)米国は軍を出動して台湾を防衛してくれるとの思い込みがあった。しかしロシア・ウクライナ戦争、中東情勢と米国・イランの衝突などを観察すると、米国が実際に兵力を投入して台湾を防衛できるかどうかは、もはや政治的スローガンによって判断することはできない」と表明した。
帥氏は、「米中が真に同盟を組むことはないが、すでに全面衝突を回避し、コントロール可能な枠組みの構築に向けて前進している。台湾が依然として中国に対抗しての台湾防衛路線にとどまっていれば、(米国も中国も回避しようとしている)戦争への道を進む論理に落ち込む恐れがある」と主張した。
政治大学経済学科の林祖嘉(リン・ズージア)教授は、習近平主席が会談の中で「台湾独立」と台湾海峡の平和は決して相いれないと強調したことについて「台湾問題が米中交渉の核心の一つだったことを示しているが、外部からは現在のところ、トランプ大統領が非公式に何らかの約束をしたかどうかは依然として不明だ」と指摘した。
政治大学外交学科の李明(リー・ミン)教授は、トランプ・習会談は米中の力の対比の変化を浮き彫りにし、さらには「東が昇り西が沈む」傾向がますます明白になったと論じ、トランプ大統領が習近平主席に極めて友好的な姿勢を示したことは、台湾、日本、韓国などの地域で「米国懐疑論」をさらに高めさせたと指摘した。李教授は、台湾が中国大陸を挑発すれば、自らの安全保障上の立場をさらに極めて不安定にしてしまう恐れがあると述べた。
国政基金会シニアアドバイザーの曽復生(ズン・フーション)氏は、「米国と関係を保ち中国と和解する」戦略を採るべきで、「親米」や「親中」に単純化すべきではないと主張した。曽氏はさらに、中華民国の民主憲政体制を確固たるものにし、台湾と米国の経済貿易、技術および軍事面での安全性を同時に向上させるプランを推進し、同時に多元的なルートを通じて、大陸側に「軍事演習は(台湾海峡)両岸の心の距離を広げるだけで、融合と発展には不利に働く」と表明べきと主張した。
元立法委員の陳以信(チェン・イーシン)氏はトランプ・習会談について、習主席が最初から台湾問題を米中関係の核心に据えたことは、「ゲーム開始早々に、全額を掛け金にした」と同じだったと述べた。一方でトランプ大統領が意図的に台湾問題を回避したことは、最優先の関心事が必ずしも台湾ではなく、米本国での選挙や経済および国際情勢に向けられていることを示したと主張した上で、現在のところ、米中関係史の節目となるような「第4の共同声明」は見られないと指摘。陳氏によれば、このことは米中間に台湾問題で依然として相違があることを意味するが、武器売却問題がすでに米中間の動きとして観察すべき範囲に組み込まれたことは、台湾にとっては一つの警告のサインだと論じた。(翻訳・編集/如月隼人)











