中国科学院深セン先進技術研究院の劉陳立院長は、アジア6カ国の100余りの研究機関と共同で、5月26日付けの国際学術誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」にアジア初となる合成細胞10年技術ロードマップを発表しました。このロードマップは、合成細胞の構築に立ちはだかる主要な課題を体系的に整理し、段階的な研究目標を打ち出すことで、アジアにおける今後10年の合成細胞の研究の方向性を明確にしています。

合成細胞とは、単に既存の生命をコピーすることではなく、リン脂質、タンパク質、DNAといった生体高分子を用いて人工的にゼロから構築された単細胞システムのことであり、生命科学の分野における最も壮大な挑戦目標の一つと言えます。

今回発表されたロードマップでは、合成細胞構築のために乗り越えるべき四つの主要な課題が挙げられています。つまり、代謝の連続性、リボソームの自律再生、モジュール設計ルールの欠如、時空間的な協調メカニズムの複雑性です。これらの課題を解決するために、ロードマップはAI駆動型の「バイオファウンドリー(生物鋳造工場)」構築という新たな解決策を提案しています。これは「中央工場+分散型ワークステーション」モデルを採用し、統一プラットフォームで標準化された「シャーシ(基盤細胞)」と試薬を製造し、各国の研究チームが設計・合成・試験を協調して進める仕組みです。

このロードマップではまた、今後10年間の開発目標を二つの段階に分けて設定しています。第1段階は、安定したリン脂質小胞構造を持つ「原始細胞」の作成で、第2段階は、自律的なリボソーム再生が可能で、10回以上の連続した成長・分裂サイクルを繰り返す「自律細胞」の開発です。これは、合成細胞が単に特定の「機能」を持つ段階から、自ら増殖する「自己複製」が可能な段階へと進化することを意味しており、今後10年の合成細胞研究の方向性を明確に示すものとなっています。(提供/CGTN Japanese)

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