中国メディアの環球網は3日、「日本円はなぜ『最弱通貨』にまで落ちたのか」との記事を掲載した。

記事は、米シンクタンク・ブルッキングス研究所のロビン・ブルックス研究員が先日、「日本円はトルコリラを下回り世界最弱の通貨になった」と指摘したことが波紋を広げていると言及。

国際決済銀行(BIS)のデータによると、日銀が変動相場制へ移行した1973年以降、日本円の実質実効為替レートは過去最低水準に落ち込む一方、トルコリラは年初から上昇しており、両者が逆転したと伝えた。

そして、「実質実効為替レートは、各国との貿易額やインフレ率の違いを反映した通貨の実質的な購買力を示す指標で、現在の日本円は同じ金額で購入できる石油や食料、半導体などの輸入品が過去最も少ない状態にあることを意味する」と説明。「影響は日本の家計に及んでおり、東京のスーパーではオリーブオイルやコーヒー、チョコレート、牛肉など輸入品を中心に価格上昇が続いている。海外への留学や旅行の費用も増加し、名目上の収入が変わらなくても実質的な購買力が低下しているとの実感が広がっている」とした。

記事は、「円安は日本経済全体に課題をもたらしている」と指摘。「短期的には輸出企業の競争力向上につながるが、長期的には輸入インフレを加速させ、企業のコスト増加や利益圧迫を招く。資金流出が進めば円資産への信頼低下にもつながり、日本経済は『利上げできない→円安進行→インフレ悪化』という悪循環に陥る懸念がある」との見方を示した。

また、「日本政府は円安を食い止めるため、4月末から5月にかけて過去最大規模の為替介入を実施したが効果は一時的で、円相場は再び介入前の水準付近まで下落した。市場では投機筋による円売りが続いており、背景には日米の金利差がある。投資家は低金利の円を借り、高金利資産へ投資するキャリートレードを継続しており、円売り圧力が続いている」と現状を説明した。

さらに、「日本固有の構造問題も円安を後押ししている」と言及。「日本は長年にわたり貿易赤字を抱えており、エネルギー価格上昇によって再び赤字拡大の可能性が指摘されている。

国内の低成長や低金利を背景に、個人・機関投資家の資金が海外へ流出しているほか、生産拠点の海外移転による産業空洞化も進んでいる」とし、「海外資産から得た利益の多くが現地で再投資され、日本に還流していないことも円を支える力を弱めている」と論じた。

記事は、「日銀が金融政策を大きく見直さない限りは、円安基調は続くとの見方が強い」と指摘。専門家の話として「金融緩和を続けながら為替介入を行うのは、アクセルとブレーキを同時に踏むようなもの。これは市場に一時的な混乱を与えるだけで、貴重な政策資源と外貨準備を消耗しているに過ぎない」と伝えた。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ