中国メディアの環球網は26日、「韓国で『人工知能(AI)依存症』への懸念が高まっている」などとする記事を配信した。

記事によると、AIブームによる世界的な半導体需要の押し上げが続く中、韓国の輸出構造は大手企業と半導体産業への集中が急速に進んでいる。

今年第1四半期はサムスン電子やSKハイニックスなど5社による輸出額が全体の4割を突破。一方、好調な輸出の背後で韓国経済のAI半導体産業に対する依存は深まり続け、伝統的製造業の低迷、雇用創出の弱さ、所得格差拡大などの問題が産業の不均衡に対する社会の懸念を引き起こしている。

24日発表されたデータによると、今年第1四半期の韓国の輸出額は2199億ドル(約35兆円)だった。うち上位5社は957億ドル(約15兆円)で、全体に占める割合は43.5%と前年同期から14.8ポイント上昇。関連の統計が発表された2015年以来、上位5社による40%超えは今回が初めてだ。

また、上位5社の輸出増加額は500億ドル(約8兆円)に達し、全体の82.8%を占めた。一方、6位から100位までの増加額は58億ドル(約9000億円)。伸び率も上位5社と1~100社の全体平均とでは鮮明な差があり、韓国メディアはこうした輸出の「頭でっかち」現象の背後には、AI投資拡大が生み出した世界的な半導体の「スーパーサイクル」があるとみている。

韓国産業通商資源部によると、韓国の今年第1四半期の半導体輸出は前年同期比139%増。一方、半導体以外の全品目の伸び率は11.6%だった。4月は15の主要輸出品目のうち7品目で前年同月を下回り、うち自動車は5.5%減、自動車部品は6%減、家電は20%減などとなった。韓国メディアは「ウォン安による原材料価格の上昇、産業競争の激化、世界需要の鈍化などが韓国の伝統的製造業に圧力を与えている」と指摘。

「好調なのはAI産業チェーンだけ」だという。

記事はさらに「半導体産業は韓国の輸出と経済データを押し上げているものの、雇用増には十分つながっていない」との見方を示し、韓国開発経済院のデータとして「半導体産業が10億ウォン(約1億円)の生産額を生むごとに増える雇用は2.1人。韓国製造業の平均水準のわずか3分の1だ」と説明。「企業間の収益の差が従業員の賃金格差を広げている」とも指摘した。

このほか、「好調な輸出の背後で韓国社会のAI依存症に対する懸念は日々高まっている」とし、専門家の多くが「現在の輸出の力強さは世界経済の全体的回復によるものではなく、『AI・半導体分野の集中的な伸び』が原動力」との見方を示していることを伝えた。また、世界のAI投資が循環的な調整局面に入れば、高度に集中した輸出構造は韓国経済全体に激しい変動をもたらしかねないとの声もあるという。(翻訳・編集/野谷)

編集部おすすめ