仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は2日、中国企業の海外市場シェアの約60%は政府補助金に依存していると報じた。

記事は、経済協力開発機構(OECD)がこのほど公表した報告書で、過去20年間に世界各地で実施された産業向け公的支援政策を総合的に分析した結果、中国が蓄電池、太陽電池パネル、自動車製造などの産業に巨額の資金支援を行ってきたと明らかにし、それが世界経済の構図に大きな変化をもたらしたと結論付けた。

これについて、仏紙レゼコーは「中国政府が十数の戦略産業に提供している補助金は、これら産業の売上高の約3%に相当し、2005年以降、中国が国際市場でシェアを拡大してきた大きな要因の一つとなっている」と指摘。OECDの報告を基に、05~24年に中国企業が受け取った政府補助金の平均額はOECD加盟国企業の3~8倍に達し、ブラジル、インド、インドネシアなど他の新興国と比べてもはるかに高い水準だったと伝えた。

そして、「経済が開放されグローバル化した環境の中で、こうした補助金政策が市場をゆがめ、世界の貿易活動に影響を与えている」と指摘。OECD貿易農業局が、欧州では補助金は企業の売上高の0.5%程度にとどまることを例に挙げ「これは極めて不公正な競争だ」と批判したことを伝えた。同報告書では、中国企業が世界市場で獲得したシェアの約60%が、こうした補助金に依存していると指摘されている。

なお、レゼコーの記事は、同報告書からは中国による「制度の抜け穴利用」や競争ルール軽視への批判だけでなく、こうした状況に十分に対応できなかった世界貿易機関(WTO)の機能不全に対する批判も読み取れると言及。元WTO事務局長のパスカル・ラミー氏がかつて、「もしやり直せるならWTOは市場ルール順守についての監督にもっと重点を置くべきだった」と語ったことを紹介した。

一方、仏紙フィガロは、OECD報告書の注目すべき結論として2点を挙げた。1点目は公的補助金は世界各地で増加しており、とりわけ新エネルギー関連設備や半導体分野でその傾向が顕著であること。2点目はその補助金規模は中国が世界最高水準にあることだ。フィガロの記事は「中国によるWTOルール違反は以前から広く知られていたが、OECDの今回の報告書は、その実態を初めて定量的なデータで示した」と評価し、「こうした政府補助金がなければ、中国企業、特に自動車メーカーは現在のような規模で海外進出を実現できなかった」と論じた。

その上で、「欧州が数十年にわたり各国政府による企業支援を厳しく規制し、公正競争を重視してきたことから、中国の補助金政策が欧州にもたらす影響は極めて深刻だ」と言及。

「これにより、中国は米国との貿易摩擦の影響を受けながらも、電気自動車(EV)やグリーンテクノロジーなどの産業を武器に、国際貿易における優位性をさらに強化することとなった」としている。

フィガロの記事は「近年、欧州では自国の主要企業が、政府からの補助金を受ける中国の巨大企業と競争することは困難だとの認識が広がっている」としつつ、「EU加盟国間で利害が異なるため、急速に台頭する中国に対して統一した対応を取ることは依然として難しい」と述べた。(翻訳・編集/北田)

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