本土株高が好感される流れ。ハンセン指数は安く始まったが、上海総合指数の上げ幅拡大をにらみながら、引けにかけてプラス圏まで切り返している。中国経済対策の期待感や、当局の相場支援スタンスが改めて材料視された。向こう1年間の政策運営方針を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は、来週3月5日に北京で開幕する。新たな経済対策が打ち出されるとの期待も広がった。また、香港上場企業に好決算が相次いでいることも買い安心感につながっている。
ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が22.2%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(981/HK)が6.6%高、ガラス生産大手の信義玻璃HD(868/HK)が5.6%高と上げが目立った。
セクター別では、半導体が高い。上記した中芯国際集成電路製造のほか、上海復旦微電子集団(1385/HK)が7.8%、華虹半導体(1347/HK)が4.5%、ASMPT(522/HK)が3.6%ずつ上昇した。中国当局は人工知能(AI)などハイテク産業の振興に注力している。政策支援の動きが手がかりだ。
医薬セクターもしっかり。
半面、香港に拠点を置く不動産や発電などの銘柄群はさえない。新世界発展(17/HK)が1.1%、長江実業集団(1113/HK)が1.0%、恒基兆業地産(12/HK)が0.7%、中電HD(2/HK)と電能実業(6/HK)がそろって1.3%ずつ下落した。香港不動産株は前日、域内不動産規制の緩和を手がかりに逆行高している。
一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.73%高の2979.56ポイントで前場の取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)