今の中国のネット上において、本当の情報とそうでない情報を見分けるのはかなり難しいかもしれない。なぜなら、どこから出てきたか分からないような情報がどんどん湧き出し、あまり疑われることなくまことしやかに左から右へと拡散していくからだ。


 中国メディア・環球網は5日、わずか10日間で完成させたとして国内外から注目を集めた湖北省武漢市の「火神山医院」について、「実は日本人が設計した」という虚偽情報が中国のネット上で拡散したと報じた。

 記事は、今月3日ごろから中国のネット上で、同医院の「企画設計者」について「日本の竹務工務店のシニアデザイナー木間雄二氏」とする情報が出現し、拡散したと紹介。事の真偽を確かめるべく日本の検索エンジンでサーチしたところ、竹中工務店などがヒットする一方で「竹務工務店」という企業は見つからず、なおかつ「木間雄二」という人物も該当する検索結果がなかったと伝えている。

 そして、検索の結果から「基本的に、この情報はウソであると判定することができる」との見解を示すとともに、もし、本当に日本の著名な建築家が同医院の設計に関わったのであれば、日中両国のメディアがそのことに言及するはずだと論じた。

 現在、中国国内では新型コロナウイルスの感染が拡大し、湖北省武漢市などの感染多発地域が街ごと封鎖されるなど、非常事態に陥っている。当局はネット上での根拠のない情報を厳しく取り締まる姿勢を見せているが、それでも出所不明の情報は後を絶たない状況だ。


 中国の専門家からは、ウイルスの流行を鎮静化させるうえで大衆が理性的で客観的な意識を持つことが大切だとの声も出ている。今回記事が紹介した情報は市民の健康に直接影響するものではないが、それでも、やはり情報の信ぴょう性を判断する能力を持つ必要があることには変わりない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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