◆春季高校野球神奈川県大会▽決勝 横浜8―3横浜創学館(3日・横浜スタジアム)

 今春のセンバツに出場した横浜が逆転で横浜創学館を下し、昨春に続く春季大会連覇を達成した。24年秋から続く5季連続優勝となり、神奈川県内での連勝を32に伸ばした。

 “投”の勝利の立役者は、2番手・林田滉生投手(3年)だった。先発の中嶋海人(2年)が初回に2点を失い、なお1死一、三塁、カウント2―2の場面で林田がマウンドへ。このピンチを内野ゴロの間の1点のみに封じると、2回以降は得点を与えずに8回2死まで三塁を踏ませない好投で無失点。打線は4回までに3点差を同点に追いつくと、5回に一挙5得点で勝ち越しに成功した。プロ注目の最速154キロ右腕・織田翔希(3年)が2日の準決勝で186球を投げた状況の中でチームを救い、勝利を呼び込む好投だった。

 試合前、村田浩明監督(39)は、選手たちにあるメッセージを伝えていた。世界スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥と、弟でWBC世界バンタム級王者・拓真に関するエピソードだった。

 「(拓真は)自分よりも強い相手にチャレンジして、勝っていって井上尚弥の弟さんじゃなくて、井上拓真さんという名前がドーンと出た。うち(横浜)もそうじゃないか? 織田の陰にいるんじゃ話にならない。織田と球は違くても、『俺は俺でやっていくんだ』という、そういう大会。織田は今日、絶対使わないから、他のピッチャーでいく」

 偉大な兄を持つ拓真が、強敵を打ち倒して自身の存在を示したように、織田に次ぐ投手陣にも自分自身の武器を発揮して、戦う姿を見せて欲しかった。春の神奈川連覇の陰には、指揮官のメッセージに応えた3年生右腕の力投があった。

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