
世界各国で興行収入の記録を次々に塗り替えている映画『ジュラシック・ワールド』。過去のシリーズ作品と比較しならが、ライター・編集者の飯田一史さんとSF・文芸評論家の藤田直哉さんが語り合います。
合成恐竜インドミナスレックス側から観れば『マッドマックス』!
飯田 壁に囲われ管理された窮屈な恐竜テーマパークの世界から、権力者であるパークの社長や科学者たちのオモチャにされていた存在(合成恐竜インドミナスレックス)が反逆し、自由を求めて逃走するという、実に『マッドマックス』だったよね!
で、壁の外に出たら恐竜も人間もみなごろし。「一匹残らず、駆逐してやる!」……ってそれは『進撃の巨人』だけど。走る! 逃げる! 死ぬ! 走る! 逃げる! 死ぬ! 『ジュラシック・ワールド』もそういう映画です。
藤田 また『マッドマックス』ネタが来た! ぼくは、今回も、乘りませんよw 『マッドマックス』は『マッドマックス』! 『ジュラシック・ワールド』は『ジュラシック・ワールド』!
ただ、言っちゃ悪いですが、『リアル鬼ごっこ』や『進撃の巨人』で物足りなかったものは、こっちで全部味わえた感じがするんですよ。製作費の桁が違うのは承知していますが、観客は同じ額のお金を払う以上対等に見るわけで、そりゃあこういう作品がごろごろしていたら、『進撃の巨人』や『リアル鬼ごっこ』に文句言われるわなぁ、と思ったことも確かです。金と技術力で圧倒的に攻めて来る感じで、途方に暮れて、畏怖を覚えます。