2026年5月14日、中国メディアの北京日報は、供給網のコスト高騰を背景に小米(シャオミ)やテスラなどの電気自動車(EV)メーカーが販売価格を引き上げ、激しい価格競争が転換点を迎えていると報じた。

記事は、近ごろ10社以上のEVメーカーが相次いで価格改定や値引きの縮小を公表しており、シャオミの新型SU7が全モデルで4000元(約9万2000円)引き上げられ、米国企業のテスラのモデルYもロングレンジ版とパフォーマンス版でそれぞれ1万8000元(約41万円)、2万元(約46万円)値上がりしたと伝えた。

また、車両価格の引き上げに加えて、無利息ローンの条件厳格化といった実質的な購入コストの引き上げも進んでおり、BYDをはじめとする各社が長年続いた激しい価格競争から慎重に距離を置き始めていると伝えた。

そして、値上げの背景には上昇し続ける供給網のコストがあるとし、自動車業界の利益率が長年の価格競争により製造業平均を大きく下回る2.9%にまで落ち込んでいることを指摘。車両コストの30%から50%を占める駆動用バッテリーの主原料である炭酸リチウム価格が昨年7月の1トン当たり7万5000元(約170万円)から20万元(約460万円)近くまで急騰したほか、車載用DDR4メモリ、高性能なDDR5メモリといった半導体製品も大幅に値上がりしており、自動運転対応車種では1台あたり最大7000元(約16万円)のコスト増を招いていると説明した。

記事は一方で、乗用車市場のマイナス成長が続く中で中低価格帯のメーカーが大幅な値上げを行えば顧客離れを招くリスクがあり、価格転嫁が浸透するかは不透明であると分析。乗用車市場情報連合会(CPCA)の崔東樹(ツイ・ドンシュー)事務局長が、現在の市場で全面的な値上げを行うのは極めて困難との見解を示したことに言及した。

このほか、中国自動車工業協会が今回の価格改定の波について、コスト上昇へのやむを得ない対応であるとともに、業界が利益を削り合う消耗戦から脱却し、高品質な価値競争へと向かう重要な契機になるとコメントしたことを紹介した。(編集・翻訳/川尻)

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