タイで中国人観光客の滞在期間を短縮する動きがあると報じられたことについて、同国のシーハサック副首相兼外相は「特定の国を対象にしたものではない」と述べた。仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(中国語版)が12日に報じた。
シーハサック氏は同日、外国人観光客のビザ免除滞在期間を現在の60日から30日に半減する案について、「大きな反対には遭わないだろう」との見方を示した。記事によると、タイ当局内ではここ数カ月、ほぼ毎日のようにビザ免除政策の見直しを求める声が上がっているという。
背景には、2024年7月にビザ免除対象を拡大して以降、想定外の問題が発生していることがある。タイ外務省は現在の「60日滞在+30日延長可能」というビザ免除期間は長すぎるとみており、観光目的ではない人々に制度が悪用される恐れがあるとしている。サムイ島やパンガン島などの観光地の地元住民からは、ビザ条件緩和によって違法な外国資本企業が増えたとの訴えも出ているという。
シーハサック氏は「近年は専門人材の誘致やソフトパワー強化などの目的からさまざまなビザ優遇策が導入されてきたものの、それが行き過ぎてしまった可能性もある」と説明。各種制度が現在も合理的かどうかを含め、関連基準を再評価する必要があるとの認識を示した。
また、今回の見直しは一部で報じられている「中国人関連の事件」だけが理由ではないと強調。中国人観光客の滞在期間短縮やビザ免除そのものを撤廃する可能性について問われると、「特定の国を対象にしているわけではない」との見方を示しつつ、「私たちはいかなる国籍も差別はしない。しかし、不法行為に関与する者、特に安全保障問題に関わる者については厳しく対処しなければならない」と述べた。
最近では、パタヤで中国人の男1人が逮捕され、自宅から自動小銃、爆発物、手榴弾、対人地雷などの軍用兵器が大量に押収されたことで、国家安全保障への懸念が高まっていた。
シーハサック氏はこのほか、「観光ビザは旅行目的に見合った有効期間であるべきで、30日を超えるべきではない」とし、今後、旅行者がビザに記載された目的に沿って滞在しているかどうかの審査を強化するとの方針も示した。











