東華大学によると、月面土壌から製造された繊維実験サンプルが11日、宇宙貨物船「天舟」で中国の宇宙ステーションへ運ばれた。このサンプルは今後、船外曝露プラットフォームで高真空、強放射線、極端な温度差などの宇宙環境下に長期間さらされ、性能検証を受ける。

中央テレビニュースアプリが伝えた。

東華大学の先進繊維材料全国重点実験室を基盤として、科学研究者はゼロから世界初となる月面環境模擬紡糸装置を設計した。そして、月探査機「嫦娥5号」が持ち帰った0.5グラムの実際の月面土壌――数十億年にわたり宇宙風化を受けた玄武岩質サンプルを用い、長さ約3メートル、太さは髪の毛ほどの連続繊維の製造に成功した。この完全に独自の知的財産権を持つコア技術は中国国際工業博覧会大賞を受賞した。4月1日にはこの繊維が中国月探査プロジェクト20周年に合わせ、中国国家博物館公開された。

この研究は10年にわたり続けられてきた。2016年に極限環境材料の研究からスタートし、20年に嫦娥5号が月面土壌採取に成功したことが重要な転換点となった。研究の狙いは将来の月面科学研究拠点建設の需要に対応することにある。地球と月の間の輸送コストは極めて高いため、月面の現地資源を活用した材料のオンサイト製造は重要な方向性となっている。月面土壌繊維の潜在的用途には柔軟構造材料や月面土壌コンクリートの補強材などが含まれる。ただし、関連研究は現在も基礎検証段階にあり、実際の応用にはなお時間が必要だ。今回の船外実験は実環境下における性能データを取得し、今後の探査活動の参考とするために実施されるものだ。

(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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