
第3話はこんな話……ハナ肇、植木等を叱る
時は東京オリンピックが開催された1964年10月。谷啓(浜野健太)が突然、クレージーキャッツをやめたいと植木等(山本耕史)に打ち明ける。「はっきり言やあマンネリだよ。僕らが飽きたら見てるほうだって飽きる。そうなったら終わりだ」と言うのだ。これに対し植木は「二人だけの話にしておこう」ととりなすも、付き人の松崎雅臣(志尊淳)は偶然それを立ち聞きしてしまい、動揺する。
谷のことを隠していた植木だが、ハナ肇(山内圭哉)はそれとなく気づいたのだろう。ハナから訊かれて、植木は知らぬふりを決め込む。が、当の植木も、自分が前面に出ていくことにためらいを覚えており、そのことをふいに漏らすと、ハナから「そういうこと、二度と言うんじゃねえ」と一喝されてしまう。
一方で谷の悩みは深まるばかりだった。映画撮影の休憩中には、オリンピックを伝える新聞を手にしながら「こんな薄暗いところでうじうじと、絵空事ばっかりやっていて、何になるというんだろうね」と、松崎にぼやく。
その後、メンバー間を相談してまわる松崎の姿を不審に思ったハナは、ついに谷のことを聞き出し、植木を呼び出す。車から松崎を外させ、話し合う二人。ハナは