中居正広 オーケストラのマエストロのごとく場をあやつる見事な司会ぶり<柚月裕実のWeekly“J”>
イラスト/おうか

柚月裕実の「Weekly“J”」#34<6月20日〜6月27日>

中居正広『金曜日のスマイルたちへ』

アイドルファン歴25年超の筆者が一週間の出来事からトピックを紹介するこのコーナー。6月20日からの一週間より、印象的なトピックスをご紹介します。今回ピックアップするのは、中居正広がMCを務める、ものまね師21人が集結した6月25日放送の『金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)。


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金スマSPでみせた中居正広の懐の広さ

6月25日放送の『金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)では、ものまねタレント総勢21人が登場。神無月や原口あきまさ、ホリらものまね界を牽引してきたレジェンドに加えて、YouTubeやTikTokで人気を博す新世代ものまね師も多数出演。それぞれの持ちネタを披露したほか、ヒット曲メドレーや、声を変える秘密などを明かした。また、中居正広のものまねをする芸人2人が中居の公認をもらおうと奮闘する一幕もあった。

「今知っておくべきものまねスペシャリスト21人」と題して、21人の芸人がスタジオに集結。オープニングでは、中居の呼びかけで、トップバッターのミラクルひかるが広瀬香美の「ロマンスの神様」で盛り上げ、続いてみかんが「紅蓮華」を土屋アンナのものまねで、続く山本高広は織田裕二を。そして神奈月、ホリ、原口あきまさの順にものまねバトンをつないだ。


特徴を捉えたレジェンドたちのものまねに笑っていた中居。中居は「なんだよもう。いやー、祭りだな。今の3分すげぇ楽しかった」と冒頭にして、早くもスタジオは盛り上がりをみせた。

原口あきまさが加藤浩次のものまねで「この、ものまね芸人がスタジオに集結するこの状況……当たり前じゃねぇからな!」と冗談っぽく言っていたが、言われてみればものまね芸人が登場するといえば、『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』(フジテレビ系)に代表されるような特別番組、または少数でトークをすることがほとんどだったように思う。ちなみに、金スマでは2019年6月にMr.シャチホコとみはるが結婚した際に二人の馴れ初めなどを紹介していた。


さて、ここからがMC中居の本領発揮。ものまね芸人21人が座るスタジオで、「あっ! 今日城島くんもいらっしゃいますよね」と左側を向いて振ると、ホリがTOKIO城島茂のものまねを披露。続いて中居の右後方に向って「あ! 松岡もいるじゃん」と言えば、「副社長になりました」と、むらせがTOKIO松岡昌宏に続いて、中居から振られたとおりに東山紀之になりきって「戦力外通告!」と連携プレーをみせる。

そして再び右手に向かって「あれ? さんまさん、親子共演って、あまりないんじゃないですか?」と原口あきまさが明石家さんまに扮してIMALUと画面分割。まだまだ続く中居の振り。「あっちにもIMALUちゃんいるな?」と今度は中居の後方に座る寛香がIMALU本人の前で「あ、中居さんこんばんは。
IMALUです」。

さらには「ボビー最近大変だよね?」と小峠英二にむちゃぶり。ボビーらしき喋り方で応えた小峠は「やったことないっすよ」「初めてやりましたよ」。そこから右手のレジェンド軍団に上下関係を聞いて全体像を伝え、中堅芸人、そしてゲスト陣へと満遍なくトークを振っていった。

中居の優しさが溢れ出たシーン

番組中盤でのこと、中居正広のものまねをしている二人の若手芸人が登場し、公認をもらおうと奮闘した。中居の顔まねをするモリタク!と、声まねをするGたかしによる二人羽織で、「バラエティ番組で後輩にさりげない優しさを見せる中居正広」などを披露。

二人羽織ものまねが誕生したのは、「絶望的に似てねーんすよ」と、声が全く似ていなかったモリタク!と、声はまねできても顔が全く似ていなかったGたかしが、両者の弱点を補完する形で誕生した。


安住アナから公認を出すか出さないかを問われた中居。「これでお仕事もらってたりするわけでしょ?」と二人に投げかけると、Gたかしが「中居さんの公認をいただけるかどうかで今後の仕事が変わってくるかも」と返答。モリタク!も「バイトが辞められるかもしれない」とアピール。

中居は「後押しになったらとか、後輩もいるんで……」と前置きして、「だから、もう一生、これからずっと公認しません!」とぴしゃり。さらにもう一押しして「一生、絶対、これからも今までもずーっと先まで公認しない」と言い切っていた。

中居正広 オーケストラのマエストロのごとく場をあやつる見事な司会ぶり<柚月裕実のWeekly“J”>

ところが……。
その後のヒットメドレーコーナーに入るタイミングで呼び戻されたモリタク!とGたかし。中居はモリタク!を自分の席に座らせ、金スマで中居が必ずかぶっている帽子も渡した。残念ながらモリタク!の頭が収まらず、中居は「なんで似ねぇんだよ(笑)」「俺じゃねぇじゃん」と笑っていた。

かぶっていた帽子を譲ったがために乱れた髪のまま彼らの横に立ってアシストしていた中居。「ずっと先まで公認しない」の言葉に反して、中居の優しさが溢れていた。

前述のトークでも、サクサクとテンポ良く振っていたように見えたが、改めて映像を見返してみると、原口のターンでは、原口が歯をセットする準備を踏まえてか、言葉と言葉の間を少しだけ空け、ゆっくりめに振っていたのが印象的だ。


これぞバラエティ番組

このところお笑い芸人が6月だけでも上半期ブレイク芸人15人を招いて2週に渡って放送したほか、5月にはあまりバラエティ番組に出演しない人気声優24人を迎えたり、阿部寛率いる日曜劇場『ドラゴン桜』チームが登場したり。また、4月にはモーニング娘。’21(トゥーワン)とOG総勢18人に加えて、石橋貴明がサプライズ登場。中居は「何で俺と絡むときダマなんだよ! なんで計画的にやってくんないんだよ!」と驚いていたものの、見事に一夜限りの『うたばん』を復活させた。

金スマに限ったことではないが、大勢のゲストを迎えてもその数に押されない存在感とスタンス。テンポ良く、満遍なくトークを振っていく様子は、まるでオーケストラのマエストロのよう。二人だけのトークではじっくりと、視聴者の声を代弁するような質問を投げてくれる。じっくりとゲストの話を聞く落ち着いた時間もあれば、笑いとツッコミ、それぞれのシーンに応じたリズム調節をしながら進行していると感じる。

翌、28日放送のラジオ番組『中居正広ON&ON AIR』では、番組の最後に、金スマの収録について触れた。「この間、金スマにものまねタレントさんがいっぱい来たっていうね。大笑いしたかな。ゲラゲラ笑っちゃって。こんだけ笑わせてもらっちゃったーって思って」と、感想を述べていた。また、出演したものまね師たちも、金スマの出演告知や視聴のお礼などを綴り、反響が寄せられていた。

2001年から続く金スマだから招くことができたゲスト、実現した企画も多いだろう。新企画も、シリーズものと、様々な企画がいくつも走る金スマ。これぞバラエティ番組ではないだろうか。
(柚月裕実)

※次回「Weekly“J”」を更新しましたら、Twitterでお知らせします

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Writer

柚月裕実


Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。

関連サイト
@hiromin2013