安徽省蚌埠市の商業宇宙科学技術産業パークでは、九州雲箭航天技術の作業員がロケットエンジンの組立、溶接および試験を行っている。中国新聞網が伝えた。

同社の石奇(シー・チー)副社長は、「昨年9月に全体移転を完了し、企業は新たな発展段階を迎えた。新工場の建築面積が3000平方メートルから2万平方メートル超へと拡大し、大規模生産と技術向上のためにより広いスペースが確保された」と述べた。

蚌埠は伝統的工業拠点都市であり、近年では「嫦娥」「神舟」「天宮」などの重要宇宙プロジェクトの背後にも「蚌埠のスマート製造」の存在があった。2019年に初の商業宇宙企業を誘致して以来、蚌埠は「ロケット・衛星・端末」を網羅する全産業チェーン型エコシステムを構築してきた。現在までに、同市には23社の商業宇宙企業が集積し、総額60億元(約1380億円)を超える四つの商業宇宙産業ファンドが設立されている。25年には、同市の商業宇宙産業生産額は倍増を実現した。

今年4月に通達された「安徽省商業宇宙産業発展加速行動案(26~28年)」では、蚌埠による長江デルタ地域および中部地域向けロケットエンジン試験拠点建設を支援する方針が示された。10日に開催された第2回中国・蚌埠商業宇宙産業発展大会では、蚌埠商業宇宙産業インキュベーションセンターおよび禹会区―浙江大学寧波理工学院極限密封共同重点実験室の除幕式が行われた。

商業宇宙産業に注目しているのは蚌埠だけではない。淮河沿岸から黄浦江沿岸まで、北京亦荘から四川大涼山麓まで、ますます多くの中国都市がこの1兆元規模市場へと視線を注いでいる。

上海市松江区ではかつて伝統製造業で知られた千帆路が「宇宙大通り」へと変貌を遂げつつある。北京亦荘では計画面積3.15平方キロメートルの空天街区において、「衛星・ロケット・応用」「空・宇宙・地上」「通信・ナビゲーション・リモートセンシング」を網羅する全産業チェーン配置が形成されている。

四川省涼山イ族自治州では西部商業宇宙港建設が全力で推進されており、衛星・ロケットの製造から打ち上げまでの全工程現地化実現を目指している。四川省成都市では未来科技城内の商業宇宙産業パーク「未来星谷」が今年末までに段階的に運用を開始する予定だ。また、安徽省合肥市ではハイテク産業開発区の空天情報産業パーク第1期が開園した。

各地が競うように配置を進める背景には、国家レベルにおける政策体系構築の加速がある。国家科学研究プロジェクトの競争的開放、民間宇宙と商業宇宙の標準体系融合推進、商業宇宙法規・政策体系の整備など、25年11月に公表された「国家航天局による商業宇宙質の高い安全発展推進行動計画(25~27年)」では27年までに商業宇宙の質の高い発展をほぼ実現することが目標として掲げられた。

賽迪シンクタンクによると、25年末時点で中国の商業宇宙企業数は600社を超え、中核産業規模は1兆100億元(約23兆2300億円)へ拡大した。25年には、軌道投入された商業衛星数は311基に達し、全国の軌道投入衛星総数の84%を占めた。

中国科学院院士の王建宇(ワン・ジエンユー)氏は10日の大会で、「中国の商業宇宙産業は新たな発展機会期を迎えており、衛星インターネット、リモートセンシング応用、軌道上製造などの新業態が次々と出現し、1兆元規模の新興産業が急速に台頭している。スタートアップ企業からインターネット大手企業まで相次いで参入しており、宇宙産業は『ニッチ市場』から『マス市場』への飛躍を遂げつつある」と述べた。

また同氏は、民間企業にとって、商業宇宙サプライチェーン再編の過程には広大なブルーオーシャン市場が潜在しているとした上で、「低コスト技術をいち早く確立し、工業化生産を実現できた者が、市場の主導権を握るだろう」と述べた。

中国航天科工集団の羅喜勝(ルオ・シーション)副社長は大会で、「中国ではすでに20以上の省レベル行政区が商業宇宙支援政策を打ち出している。商業宇宙は研究開発、製造、応用など複数の段階を含み、産業チェーンが長く、技術的ハードルが高く、資金投入規模が大きいという特徴がある。

各地は戦略的な一貫性を保ち、行政・産業界・学界・研究機関・金融・サービス・応用側の各方面の連携を推進する必要がある」と語った。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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