2026年5月14日、中国メディア・中国新聞網は、習近平(シー・ジンピン)国家主席と米国のトランプ大統領が訪れた北京市の天壇について、中国伝統の宇宙観や建築の知恵を専門家が解説したことを報じた。

記事は、習主席が14日に米国のトランプ大統領と共に、北京の中軸線に位置する世界文化遺産である天壇を視察したことで、天壇が国内外のメディアの注目を集めていると紹介。天壇は1420年に建設された現存で世界最大規模の祭祀(さいし)建築群であり、二重の城壁が北側は円形、南側は方形に設計されることで、中国古来の「天円地方」という宇宙観を空間として表現していると説明した。

その上で、天壇は中国人の自然に対する認識を体現しており、祈年殿で五穀豊穣(ほうじょう)を、圜丘壇で国家の安泰を祈る伝統的な国家祭祀の場であったという北京市考古研究院の李衛偉(リー・ウェイウェイ)研究員の解説を伝えている。

解説によると、特に祈年殿の内部設計には農業を重視する思想が精緻に反映されているという。中央の4本の柱が四季を示しているほか、12カ月を表す12本と1日の12の刻を表す12本からなる計24本の柱が二十四節気を表現し、全ての柱を合わせた28本が天上の二十八宿を表すなど、数字と建築が巧みに組み合わされているとのことだ。

また、圜丘壇の設計においても細部に天への崇敬が宿っている。手すりパネルの数などが縁起の良いとされる「9」の倍数である216枚で構成されており、この数は古代哲学において天地の総和や宇宙の法則を象徴するものだという。周囲に植えられた松や柏が作り出す静寂で神秘的な景観を含め、天壇は中国の伝統的な知恵が凝縮された再現不可能な存在であると李研究員は説明している。(編集・翻訳/川尻)

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