中国メディアの環球時報によると、米フォーブスはこのほど、「中国はもはや欧米の自動車をまねするのではなく一から作り直している」とする記事を掲載した。

記事はまず、比亜迪(BYD)の「YANGWANG U9 Xtreme」が昨年、最高時速496.22キロを記録して世界最速の市販車となったことや、小米(Xiaomi)の「Xiaomi SU7 Ultra Prototype」がドイツのニュルブルクリンクの北ループで6分46秒874ののラップレコードを樹立して世界最速の4ドア車としての地位を確立したことに触れ、「これらは中国の成果のほんの一部にすぎない」と伝えた。

そして、「数十年にわたり、世界の自動車産業はおなじみの階層構造に基づいて運営されてきた。すなわち、ドイツは高級車を製造し、日本は信頼性の高い車を製造し、米国はピックアップトラックとマッスルカーを支配し、英国と米国は自動車文化そのものを定義付け、中国は主に模倣品を製造してきた。しかしもはやそうではない。2026年、世界の自動車メーカーにとって最大の脅威は中国から来ている」と伝えた。

記事によると、中国の自動車メーカーは世界的なテクノロジー大手へと急速に変貌を遂げつつある。その進歩の速さはデトロイトやシュツットガルト、東京、ソウルといった主要都市に衝撃を与えている。中国メーカーはソフトウエア統合やバッテリー技術、充電速度、車載人工知能(AI)など多くの面で欧米のライバルをしのぐ電気自動車(EV)を生産している。しかも、ほとんどの場合、価格面で欧米のライバルを下回っている。これは自動車業界の現状を劇的に覆す出来事だ。

わずか15年前、中国車は品質の悪さや魅力に欠ける模倣デザインでしばしば批判されていた。しかし今や、中国の一部のEVメーカーは、数分で数百マイルの航続距離を追加できる超高速充電システムや高度なAI搭載音声アシスタント、多くの老舗メーカーを時代遅れに見せる洗練されたインテリアを備えた車を提供している。

中国メーカーは、多くの欧米のライバルとは異なり、驚異的な速さで事業展開している。日産のグローバルデザインディレクター、アルフォンソ・アルバサ氏は「日産を含む既存のメーカーは、新型車の設計と製造に従来36~55カ月を要していた。しかし今の中国では、一部のEVメーカーがわずか24カ月でそれを成し遂げている。彼らは業界の常識を覆しつつある」と語る。

中国メーカーは25年の上海モーターショーと今年の北京モーターで次々と先進的な車両を発表して注目を浴び、業界内の雰囲気は明らかに変化した。中国はもはや追いつこうとするのではなく、特にEVの技術革新や製造など多くの面でリードを奪っている。

BYDなどがより手頃な価格で、より斬新なデザインとより高度なインフォテインメントシステムを備えたモデルを投入するにつれ、中国の消費者は国内ブランドをますます好むようになっている。

中国製EVの台頭は、欧米諸国がますます神経質になっている理由を説明する一助となる。米国は関税や貿易制限を通じて中国製EVの輸入を積極的に制限する措置を講じ、欧州でも同様の保護措置について議論が交わされている。懸念されているのは、中国が安価なEVを海外で販売する可能性があることだけではない。中国が将来のモビリティ市場を完全に支配してしまう可能性があることだ。

中国の優位性はもはや製造規模や低労働コストだけにとどまらず、技術的な側面においても見られる。多くの中国製EVは車輪のついたスマートフォンのような機能を備え、高度なAIシステムや顔認証、無線ソフトウエアアップデート、統合されたデジタルエコシステムなどが標準機能になりつつある。若い世代の消費者が中国製EVを選ぶ理由は、より現代的だと感じられるからだ。

記事は「老舗メーカーは依然として、グローバルな販売網や高度な技術力、製造経験、数十年にわたる消費者の信頼など大きな強みを持っている。しかし、現代の自動車業界の重心が驚異的な速さで中国へと向かっているように見える。これは業界史上初めてのことだ」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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