韓国のサムスン電子は先ごろ、中国本土でのテレビや白物家電の販売から撤退する方針を発表した。これに関連し、中国メディアの環球時報は19日、サムスン家電の中国本土での販売終了は「外資離れ」なのかとする社説を掲載した。

社説はまず、西側メディアの間では「外資の中国離れ」や「サムスンが敗退し撤退」といった論調も見られるが、1992年に中韓国交正常化がなされるとすぐに対中投資に着手したサムスンは本当に「中国を離れる」のだろうかと伝えた。

そして、外資が離れたかどうかを判断するには、一部の事業の調整だけを見てはならず、重要なのは、実際に金と人を引き上げたのかや、中国市場を諦めたのかを見極めることだと指摘。サムスンの今回の調整は、収益化が難しい「小売」をやめてより収益性が高く将来性のある分野に資金とエネルギーを投入するためであり、「方向転換はするが市場から撤退しない」という典型的な例と言えるだろうと伝えた。

社説は、サムスンが調整に踏み切った直接的な理由として、中国家電市場の競争環境が大きく変化したことを挙げ、「中国本土のブランドは近年、全産業チェーンの優位性や規模の経済、技術のイテレーションをよりどころとして、テレビや冷蔵庫、洗濯機などにおける価格競争力を海外ブランドに比べて大幅に向上させてきた。製品の質やインテリジェント水準も急速に海外ブランドに追いつき、追い抜くようになり、消費者の嗜好(しこう)はコストパフォーマンスに優れた中国ブランドへと移行している」と伝えた。そして「サムスンの家電事業は世界規模で収益化への継続的な圧力に直面しており、2025年には一部の部門で赤字を出した。こうした状況を踏まえ、サムスンが小売事業から撤退するという決定は、グローバルでの『選択と集中』戦略に合致するものだ」と指摘した。

社説は、サムスンが中国国内の家電生産基地を今後も維持してグローバル輸出拠点へと転換する方針を表明したとし、中国に累計約567億ドル(約9兆153億円)を投資し、16の生産企業と13の研究開発センターを擁する多国籍企業サムスンは、競争が激しく利益圧力の強い家電市場を縮小し、より高度な技術力、より強い業界定着性、そしてより大きなグローバル価値を持つコアセクターへの投資を拡大するという縮小と拡大の両面を含む戦略的な再編を中国で実施しようとしていると伝えた。

そして、サムスンの中国市場における家電事業の調整に「外資離れ」のレッテルを貼ることは、同社の海外展開戦略を読み誤っていると指摘。「世界的な産業分業のダイナミックな性質を見落としている。中国市場の成熟と中国企業の台頭に伴い、多国籍企業が比較優位に基づいて資源を再配分するのは当然のことだ。これは中国への信頼の喪失ではなく、むしろ中国の製造能力を認めるものであり、中国が高効率で信頼できるグローバル生産拠点となったことを示している」と伝えた。

(翻訳・編集/柳川)

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