中国メディア・環球網は8日、日本で開発された「速度の遅さを特色とする新幹線」が人気を集めているとする記事を掲載した。

 記事は、3月26日に北海道新幹線が開通したことについて、多くの日本メディアが「新幹線が日本全体に広がった」と評したと紹介。
一方で、なおも新幹線路線が存在しない四国地方に対して、ネットユーザーからは「国から忘れられた」、「独立したのか」との声が出ているとした。

 そして、そんな四国では実は2年前に「新幹線」が自主開発されていたと説明。JR四国が初代の新幹線車両である「0系」をモチーフに、既存車両を改装した「鉄道ホビートレイン」を運行させていることを紹介した。最高速度320キロを誇る本物の新幹線に対し、ホビートレインの新幹線の最高速度はわずか85キロ。このため、「日本一遅い新幹線」という別称がつけられているとも伝えた。

 記事は一方で、「意外なことに、この新幹線の『遅さ』が、乗客を大いに呼び込む理由になっているのである」し、休日になると1両編成の「新幹線」は乗客でいっぱいになり、みな四国の美しい風景を楽しんでいるのだと紹介している。


 四国は日本において鉄道インフラの整備が遅れている地域であり、新幹線が通っていないのはさておき、複線化率も電化率も低い状態にある。ほかのJR旅客鉄道各社がそれぞれ交通系ICカードを発行しているのに対し、四国だけは一部でJR西日本の「ICOCA」を導入しているのみだ。一方で、鉄道ホビートレインをはじめとする「予土線3兄弟」列車や、乳幼児に絶大な人気を誇るアンパンマンとのコラボレーション列車など、観光列車の開発に力を入れている。大都市のように通勤通学客による収入を確保できないなか、収入源を確保するためにたどり着いた方向性と言えるだろう。

 安全性を確保するのは当然だが、スピードや乗り心地の良さだけが鉄道列車の魅力ではない。まさに「ホビー」な列車も日本の鉄道文化には欠かせない存在なのである。
(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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