日本国内における狂犬病の感染は根絶したと言えるが、中国は狂犬病による死亡者数が非常に多いのが現状だ。中国メディアの快資訊は28日、日本人はほとんど狂犬病の予防注射を受けていないのに、どうして60年前から全く発生していないのかと題する記事を掲載した。
狂犬病とは、すべての哺乳類に感染する致死率の高い感染症で、人も動物も発症するとほぼ100%死亡することで知られている。世界では死亡者数が年間6万人もいるという。そのため、中国では狂犬病の予防接種はほぼ必須であり、年間1200万人から1500万人分のワクチンが消費されているそうだ。
この点、日本では全く違う状況になっている。予防注射を受けるのは人ではなく犬の方だ。狂犬病は犬に限らず全ての哺乳類に感染するが、特にアジアなどの地域でのまん延の主な原因は犬であるため、日本では飼い犬の登録と予防注射が義務付けられている。しかし、記事によると中国には現在、約7500万匹の犬がいるが、予防注射を実施しているのはそのうちの40%だけで、農村では10ー20%にとどまると紹介している。
記事では、狂犬病予防接種を受けるのが中国では人であるのに対して、日本では犬という違いがあることを指摘しているが、それより問題なのは、肝心の狂犬病ワクチンが国の基準に適合しないにも関わらず流通してしまっていることではないだろうか。中国国家薬品監督管理局の22日の発表によると、吉林省長春に本社を置くワクチン製造会社が検査記録を捏造するなどして、狂犬病ワクチンを販売していたことが明らかになっている。中国では狂犬病を撲滅する前にまず不正ワクチンの撲滅から始める必要があるようだ。
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