第5話の舞台で大スベりし、くっきーと離れることを決意した斎藤工は、第6話でバイきんぐの小峠から「やりたい笑いを入れたら」と背中を押され、再び前を向いた。
その小峠が勧めるお笑いライブに、斎藤工が訪れたところから始まる第7話「決意」。舞台が暗転し、「紅」のイントロに乗って登場したのは……X JAPANのToshI本人だった。

ToshI、舞台でネタを披露する
ToshI「もっとスイーツをくれないか……? 俺がお前たちに、最高にスイートな時間をプレゼントしてやるぜ……ToshIのスウィーツKURENAI!」
激しいドラムの音に、赤く明滅する照明。唖然とする客席を前に、「なぁお前ら知ってるか? チョコを食べると鼻血が出るっていうだろ? それ嘘なんだぜ」とスウィーツ豆知識を語るTohi。
読み上げられる高校生・ありさ(17歳)の悩み相談に、「この極上スウィーツをお見舞いするぜ」とToshI。コニャックショコラチーズタルトを頬張るToshI。「ほんとに美味しいです」と素で感想を言うToshI。「このタルトは人生と一緒」「酸いも甘いも人生になるだろう?」とToshI。執事にお茶を運ばせるToshI……。
いったい何を見せられているのか、というネタが続くが、これは元々ソフトバンクの動画アプリで『ToshI(X JAPAN) スウィーツKURENAI!』(2015年〜2016年)として配信されていたもの。ToshIにとって「自身初のバラエティ冠番組」だった。
ToshIがなぜお笑いを……と、ライブ終演後、斎藤工はToshIを出待ちして話を聞いた。ToshI曰く、バラエティ冠番組のオファーは「最初はかなり引いた」が、スタッフの熱意に打たれ引き受けたという。
そういえば、そもそもX JAPANがテレビ出演によって知名度を上げたのは『天才!たけしの元気が出るテレビ!!』だった。「ヘビメタ運動会」ではステージ衣装のまま二人三脚とかやってたのだ。バラエティ番組出演の萌芽は既にその頃からあった。
小峠が見せたかったのは、本業と畑違いの「お笑い」に向き合うToshIの姿だったのだ。そのことに気づいた斎藤工は、今抱えている悩みを吐き出す。芸人を目指すも、目的が定まっておらず停滞している自分。そんな時、ToshIはどうやって乗り越えてきたのか?
答えは「コンサートの日取りを決める」だった。
ToshI「会場も押さえちゃうから、悩んでいる暇がない。やるしかない。決めてそこに進むと悩みなんか消えるというか……あとは、いかに楽しくやるかということを考えていける」
頑張らざるをえないポイントを、未来に作ってしまうのだ。歌手の場合はコンサートを決める。
歩み寄る二人、そして……
2017年12月22日。斎藤工は新宿の吉本興業を訪ねた。くっきーに会うのは約1ヶ月ぶり。前回、ほぼケンカ別れのようになったこともあり、固い空気の中、二人共しばらく立ち上がったまま距離を取って話し出す。
お願いしておきながら投げ出したような形になってしまったこと、小峠はじめ色んな人に相談したこと、くっきーと斎藤工の二人でしか生まれない何かが欲しいこと。荷物も下ろさず、上着も脱がず、斎藤工は1ヶ月の隙間を言葉で埋めていく。
斎藤工「すごい勝手なんですけど……やっぱり、くっきーさんと僕で、もっと先の景色を見たいです」
くっきー「あぁ……いやぁ……めちゃめちゃ嬉しいですわ……すんません、ありがとうございます」
斎藤工「い、い、いいですか……?」
くっきー「いいよそんなもん、あかんわけないですわ」
くっきーも「僕も悪いことあって」と語り出す。ヨシモト∞ホールで人印(ピットイン)をスベらせたことが、ずっと気になっていたのだ。
第6話で、実際に人印の中に入り、渋谷スクランブル交差点でネタをやってみたことも打ち明けた。
「この時間、地獄ですよね(笑)」「終わったあとのね(笑)」と、スマホを挟んで笑い合う二人。いつの間にか距離が縮まっていた。離れていた間、お互いの気持ちを理解して、再び出会って絆を確かめる。ちょっとした恋愛である。
さて、二人でもう一度挑戦を始めるとして、斎藤工が気になっていたのは「ゴール」だった。ToshIが言っていた「具体的に日取りを定める」メソッド。歌手ならコンサート、芸人なら……賞レースだ。
斎藤工「このMASKMENの企画のゴールとして、R-1ぐらんぷりに挑戦したいと思います」
R-1ぐらんぷり2018は12月末から1回戦が始まり、現在既に決勝メンバーが決まっている。人印がR-1に出ていたことはSNSを通じて知られており、2回戦で敗退したことも話題となった。
そうそう、人印はR-1に出るんだよね、と、こちらは未来を知っている気でいたのだが、次の発言で驚愕した。
斎藤工「人印にはもちろん愛着はあるんですが……またちょっと新しい、女性やお子さんにも怖がられない何かを生み出せたらなと」
「新しいマスク芸人としてR-1に出場する」と言うのだ。
「?」が止まらない中、次回予告ではNON STYLEの石田が呼び出されるシーンが映った。まさに「女性や子どもにも怖がられない」ネタを作る人物。今夜3月2日放送の『MASKMEN』、第8話のタイトルは「結集」である。
ちなみに、ToshIが歌う『MASKMEN』のエンディングテーマは「マスカレイド」。仮面舞踏会(masquerade)に参加者が続々と集まってきた。
(井上マサキ)