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又吉直樹原作ドラマ「火花」5話。 言いたいだけの「鬼まんま」

又吉直樹作、第153回芥川賞受賞作品「火花」
又吉直樹原作ドラマ「火花」5話。 言いたいだけの「鬼まんま」
イラスト/小西りえこ

神谷(波岡一喜)は、師匠としてなのか徳永(林遣都)に毎回独自のお笑い論を語っている。今回もいくつかあったが、気になったのは「自分はこうあるべきやっていう基準があるやつも、結局は自分のモノマネ」というもの。

これは「自分らしさ」というものに捉われ過ぎると、結局自分を見失ってしまうということだろう。しかし、この言葉、神谷からのSOSにも聞こえる。

てきとうにボケるからツッコンでくれ



ライブが始まる直前、神谷は徳永の前で相方の大林(とろサーモン・村田秀亮)にネタを変えると言いだす。「てきとうにボケるからツッコンでくれ」。まるでアドリブで漫才をするかのような口ブリだ。しかし、実際に変えたのかどうかはわからないが、披露したのは前回ライブで見せていたネタだった。アドリブがあったかはさておき、少なくともてきとうにボケたものではなさそうだった。これを後にメールで「舐められたくなくてネタ変えた」と、徳永に明かしている。

神谷は神谷の自分らしさを一番評価してくれる徳永の前で、一番自分らしい破天荒振りを無理に見せつけようとしてしまったのではないだろうか。徳永の期待に応えようと、“自分はこうあるべきだ”という基準にしたがって動いてしまったのだ。

あほんだらの客投票の結果は4位、客にも楽屋の芸人にもウケたものの優勝を逃してしまう。6位だった徳永には勝ったが、神谷はバツが悪かったのか、珍しく飲みに誘うことはなかった。

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