2026年5月13日、中国メディアの観察者網は、著名な生物学者の許献忠(シュー・シエンジョン)教授が米国内での不当な捜査や政治的圧力を背景に、研究拠点を中国へ移したと報じた。

記事は、深セン医学科学院(SMART)が6日、知覚生物学の権威である許教授が帰国し、同院の生物構造・相互作用研究所(IBABI)に常勤のシニア研究員として加わったことを発表したと伝えた。

そして、許教授が米国ミシガン大学でバーナード・W・アグラノフ生命科学特別教授を務め、2005年から同大学で教鞭を執り続けていたと紹介。許教授がジョンズ・ホプキンス大学での博士号取得やカリフォルニア工科大学での研究を経て、線虫が主要な6つの感覚様式のすべてを保持していることを初めて証明するなど、知覚生物学における理想的な遺伝モデルとしての線虫の地位を確立した世界的な学者であるとした。

その上で、許教授が帰国した背景について、ミシガン大学にあった自身の研究室が米国当局による厳しい妨害に直面し、昨年末には研究室のスタッフ3人が「米国への生物材料の密輸を共謀した」として逮捕・起訴されたと指摘。当初は米司法省が中国からの小包の中に「線虫に関連する隠匿された生物材料」が入っていたと主張していたものの、今年2月になって司法省自らの要請によってすべての起訴が突然取り下げられ、釈放された3人は直ちに中国へ帰国したと伝えている。

記事は、米国が「チャイナ・イニシアチブ」などの政策を通じて国際的な科学研究協力を損ない、研究者を迫害している現状があると説明。冷酷な政治的障壁や帰属意識の欠如、米国内の政治環境への懸念が、トップクラスの人材を流出させる要因となっていると評した。

また、中国の絶えず向上する学術的実力と若手人材の層の厚さも、多くの優れた研究者を引きつける、あるいは中国に戻す主要因となっているとの見方も示している。(編集・翻訳/川尻)

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