5日に新疆ウイグル自治区ウルムチ市で発生した暴動事件に関心が集まり、7日更新の中国大手検索サイト百度(Baidu)の「検索ワード人気上昇ランキング」の1位に登場したが、この話題とは全く別の「少数民族」問題が注目を集め、同日のランキング3位に登場した。

 この「少数民族」問題の当事者は、今年の大学入試の文系試験で重慶市ナンバーワン(科挙制度の主席合格者を指す「状元」と呼ばれる)を獲得した学生「何川洋」だ。
彼は漢民族であるにもかかわらず少数民族として受験に参加し、「少数民族特例加点」の20点を不正に得ていたのである。中国を代表する名門大学である北京大学への出願を済ませた後の6月末にこの事態が発覚、不正に獲得した20点を差し引いても合格ラインには到達していたため、彼を合格にするか、不正行為ということで試験結果自体を無効にするか注目されたが、北京大学側は結局彼の合格を取り消した。さらに、重慶市では少数民族と偽って試験を受けた漢民族の学生が「何川洋」以外にも30名いることが発覚して大問題となった。そのうち「田中」という学生がやはり北京大学の医学部に出願していたことが数日前に新たに分かり、この学生も合格が取り消されるとみられる。なお、「何川洋」の父親は重慶市巫山県の大学入試委員会弁公室の主任であり、母親は同県の公務員であったが、2006年ごろからすでに「民族変更」の裏工作が行われていたようだ。問題の発覚により、父親は免職処分、母親は懲戒処分となっている。

 ネット上やメディアの論調はおおむね、同様の不正受験者が30名いると発表しておきながらそのリストを公表しない重慶市の大学入試委員会への批判、身分の特殊性や少数民族を対象に加点する制度の見直しなど試験全体の公平性の追求に集中している。先日、清代の科挙試験で使ったとみられるカンニングペーパーが発見された事がニュースとなったが、いつの時代も試験があれば不正は常に付きまとう。しかし、いくらなんでももう少し不正を減らすことができるのではないかと思ってしまう中国の大学入試の現状である。(編集担当:柳川俊之)

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