新型コロナウイルスで落ち込んだ経済を立て直すため、中国政府は新しいインフラの整備を進める方針を打ち出している。次世代通信規格「5G」のほか、高速のリニア鉄道も含まれているようだ。
中国メディアの今日頭条は26日、中国は巨額をかけてリニア鉄道建設を計画しているとする記事を掲載した。

 記事はまず、中国では今インフラ整備がいかに必要かを紹介。米国との貿易摩擦に続いて新型コロナウイルス問題に見舞われ、2020年第一四半期のGDPは前年同期比6.8%のマイナスだったと危機感を示した。それだけにインフラ整備で経済を立て直す必要があると主張している。

 では、この計画はどれほど大規模になるのだろうか。記事は、「中国経済の心臓」つまり長江デルタ地区に手を入れ、まずは浙江省・上海市・江蘇省をリニア高速鉄道でつなぎ、人民元で兆単位のお金が動くとした。

 世界でもリニアの建設を進めているのは日本だけだ。記事は、日本では時速500キロで東京と大阪をつなぐ超電導磁気浮上式のリニア新幹線を建設中だと紹介。現時点では、中国のどの高速鉄道もここまでの速度は出ない、と日本のリニア新幹線を意識していることを伝えた。

 記事は、中国ほど交通の重要性を分かっている国はないと誇らしげに伝えているが、中国人の反応は薄いようだ。記事に対して、「もっと別のところに金を使ったほうが良い」という意見が非常に多く寄せられていた。外国から制限を課された時のために、「国防費、宇宙開発、半導体に金を使ったほうが良い」、「その分を教育、医療など、本当に市民のサービスになることに使ったほうが良いのでは」、「これは見栄のためだ。
もっと田舎のかわいそうな農民のことを考えてくれ」などの意見が多く寄せられ、中国人の感覚とは「ずれ」があるようだ。

 中国人がどう思うかはさておき、中国としては1年全体のGDPはマイナスではなくプラス成長にしたいと考えているようだ。しかし、中国国内では経済活動が再開されてきているが、欧米はまだ厳しい状態が続いており、中国経済がプラス成長するかどうかについては、何とも言えないのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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