“落ちこぼれ集団” Kis-My-Ft2を救った中居正広の言葉<柚月裕実のWeekly“J”>
イラスト/おうか

柚月裕実の「Weekly“J”」#44<8月30日〜9月5日>

中居正広とKis-My-Ft2の絆

アイドルファン歴25年超の筆者が一週間の出来事からトピックを紹介するこのコーナー。8月30日からの一週間より、印象的なトピックスをご紹介します。

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今回は9月3日放送の『金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)2時間SPから、ゲスト出演したKis-My-Ft2とジャニーズの先輩で、退所後も交流のある中居正広との絆について。
舞祭組誕生の過程を交えながら番組を振り返ってみたい。

祝! デビュー10周年Kis-My-Ft2

今回は金スマ波乱万丈「Kis-My-Ft2デビュー10周年SP」と題して2時間スペシャルでの放送。ジャニーズの中でもコンサート動員力が嵐に続く2位を誇るなど、ジャニーズを代表するグループの一つとなったキスマイ。しかしジャニーズJr.時代、そしてグループ結成、デビュー後も順風満帆にはいかなかった。そんな知られざる苦悩を再現VTRや本人インタビューを交えて語った。

スタジオにはKis-My-Ft2の北山宏光、千賀健永、宮田俊哉、横尾渉、藤ヶ谷太輔、玉森裕太、二階堂高嗣の7人、メンバー全員が顔を揃えた。メンバーへのインタビューを通して聞こえてきたのは、“キスマイを救ったのは中居正広”というキーワード。

キスマイは2011年8月10日、シングル「Everybody Go」でデビュー(玉森や藤ヶ谷が出演した金曜ドラマ『美男ですね』(TBS系)の主題歌にも起用された)。結成7年目でつかんだデビュー、単独東京ドームコンサートを開催、ラジオに冠番組を持つなど、順調そうにみえたが、次第に騒がれるようになったのがグループ内格差だった。

“前の3人”こと北山、玉森、藤ヶ谷と、“後ろの4人”千賀、宮田、横尾、二階堂の衣装や歌割など露出量の格差が顕著で、2013年リリースの7枚目のシングル『キ・ス・ウ・マ・イ ~KISS YOUR MIND~』のMVでは、コンセプトや演出の都合上仕方なかったのだろう、背景が少々暗めの演出。前の3人に光が当たっているのとは対照的に、後ろで踊る4人には照明が当たらず、時にはシルエットになってしまうメンバーも……。

金スマでも紹介されていたように衣装の格差も感じられ、中居がMCを務める音楽番組で共演するたびに、「早く後ろの4人が同じ衣装を着れるといいですね」「後ろの4人が同じ衣装を着れる日はいつになるのでしょうか」と言葉をかけていた。

「舞祭組」爆誕!

2013年10月15日。そんなキスマイを揺るがす出来事があった。
『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)のスペシャル放送でのこと。中居がサプライズゲストとして登場したのだが、番組の最後にこう切り出した。

「3人と4人がこんなに、如実に分かれているグループって初めてなのよ。これどう思ってるの? 4人は」。言葉が出せずにいるメンバーに、中居はさらに切り込む。「ぶっちゃけ、その話はしないの?」、「おまえらいつまで衣装コレなんだよ、って言えないの?」。藤ヶ谷と北山がぽつりと答えたのに続いて、千賀が「逆に中居さん、どうすればいいですか?」と困った様子でこぼした。

中居は「シングルのボーカルはあるの?」と4人に聞くと、「ないです」。中居は「そしたらさ、4人でなんか歌とかやればいいじゃん。4人でシングル出せばいいじゃん」。宮田が「できるわけないじゃないですか」と泣きつくように答えると、中居は「じゃあその4人の歌、俺が作ってやるよ。俺のセンスでよかったらば作ってあげる」。
後ろの4人の物語が動き始めた瞬間だった。

放送から約1カ月後、中居とリリー・フランキーがMCを務める歌番組『SoundRoom』(TBS系列)で初披露となったのが、“後ろの4人”によるユニット「舞祭組」、曲のタイトルは「棚からぼたもち」。さらに、12月にCDデビュー決定と、とんとん拍子で物語が進んだ。

ドラマ出演にテレビCM起用と、目覚ましい活躍ぶりをみせた舞祭組。なによりキスマイのコンサートのアンコールで披露した際には、笑いと声援で東京ドームを揺らすほどの盛り上がりをみせたのだった。これまで5万人以上で「B・U・S・A・I・K・U」と叫ぶコンサートがあっただろうか。

中居「僕が見たことのない景色を見せてほしい」キスマイにメッセージ

さて、番組後半では、中居が金スマ史上初となるインタビューに登場。キスマイに先輩としてこんな言葉を送った。「今の10周年がスタートラインぐらいなのかな」として「ジャニーズって恵まれてるんで。好き嫌いなく、まだまだやった方がいいんじゃないかなって思いますし。いっぱいジャニーズがいるなかで、自分が誰にも負けないものが一つあるといいのかなと思います」。そして、仕事に直結しなくてもいいから、誰にも負けないものを持つと、それが助けてくれることがあるとも。




最後に「僕が見たことのない景色を見せてほしい」「僕が登ったことのない山の頂きを、その景色を見て僕に自慢げに報告してほしい」と真剣さと優しさが混じった表情で伝えた。

中居は独立してから「オフィスがみつかりました」などとラジオで報告してきた。ニトリやLOFTなどに自ら買い物に出かけて事務所の備品などを調達したことを明かしているが、“恵まれている”という言葉も、一からスタートさせた経験者だからこそ説得力が増す。また、先輩たちがやってきたことをしらみつぶしに見てきたと自らの経験を交えて語り、こう続けた。

「新しい扉を開くのは重いし、厚いから。でも開いた瞬間に差し込んだ強い光っていうのは、開けた本人にしかわからないから。そういうのは見せてほしいなとは思いますね」

キスマイがデビュー間もない頃から一緒に番組に出演してきたよゐこの濱口優も、「テーマだ、キスマイのこれからの。中居君を驚かすっていう」と彼らに投げかけた。

そして中居が最後に付け加えたのが「あとはもう、ファンの子を大事にしてください」。これもずっと中居が言い続けている言葉だ。

放送を受けて、宮田はブログで番組について綴っていたが、この先がさらに楽しみになったファンも多いのではないだろうか。
中居&キスマイのエピソードはまだまだたくさんあるが、番組などで語られている以上にもっともっとたくさんの言葉を交わしているのだと思う。

(柚月裕実)

※次回「Weekly“J”」を更新しましたら、Twitterでお知らせします

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Writer

柚月裕実


Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。

関連サイト
@hiromin2013

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