中居正広がSMAPを例にSixTONESに語ったアイドルの成功法<柚月裕実のWeekly“J”>
イラスト/おうか

柚月裕実の「Weekly“J”」#41<8月9日〜8月15日>

中居正広・SixTONES

アイドルファン歴25年超の筆者が一週間の出来事からトピックを紹介するこのコーナー。8月9日からの一週間より、印象的なトピックスをご紹介します。

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今回は8月13日放送の中居正広がMCを務める『金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)について。
半年ぶりに続編が放送されたSixTONES登場回をピックアップ。笑いに溢れるトークを展開しながらも、中居先輩がSixTONESに真剣アドバイスしていた。

待望の続編! 金スマSPで中居正広がSixTONESに語ったこととは?

前回の放送は2021年2月5日。「中居も知らない新世代ジャニーズ」と題して、事前に仕掛けたドッキリ企画やトーク企画を通してSixTONESの魅力に迫った。あれから半年。ついに放送された続編では「超貴重なゲストすぎて入りきらなかったSP」と題して、松任谷由実、SixTONES、モノマネ界の新星が出演した放送回の続編。

上半期大ブレイクとして紹介されたSixTONES。
2020年98本だったテレビ出演も、2021年8月で233本と大幅に出演回数を伸ばした。

前回に引き続き「SixTONES一斉調査」として中居からの質問にメンバーがスマホの記名・匿名を使い分けて回答。それを基にトークを展開。前回の放送も交えながら未公開シーンが大放出された。

まずは家の話から。6人全員が互いの家を知っていると話すSixTONESに、テーブルをバンっ!と叩いて「おい! いつエイブル出てくるんだよ! フツーに喋ってんじゃねぇよ」と中居。
早くも洗礼の場面。2月の時点ではSixTONESがエイブルのCMに出演していたのを踏まえてのツッコミ。急なフリに驚いたものの、ここまで強く言えるのも後輩だからではないか。その後はジャニーズ入所のきっかけなどのエピソードが語られた。

そしてSNSでも多数の反響が寄せられ、中居も「絶対オンエアしてね!」と訴えたのは、超がつくほどの真剣アドバイスだった。

松村北斗が「中居さん、グループとして大成功されたグループのお一方」と前置きし、「SMAPさんって個々にここだっていう、一人ひとりが好きなジャンルを極めているのかなって思うけど、やっぱグループとしてきちんとしている。
僕らもそういう……スタート地点に立っている感じがして」と、SMAPを例に挙げ、グループとして成功する方法を質問した。

中居は「難しいな」としつつも、「個々でやるのはやった方がいいと思います」と切り出した。「いまスタートラインっておっしゃってましたけど、スタートラインはまだじゃないかなと思います」「芸能界でのスタートラインはやっぱり8年ぐらいしてからかなって。で、ようやく」と、少し表情を硬くしながら続けた。

「若さってすごい武器ですから。これがやっぱり10年経って33、34歳ぐらいになった時に、その10年間の間にどういう武器を。
いまだから…『キャー』って言われてる、1位ですって記録を持ってるときの間にどれだけ自分の武器を磨くことができるかってのが大事かもしれない。ここで胡坐をかいてたら、10年経ったときに『あれ? 何もなくなっちゃった』みたいな」



ここからさらにアイドル経験者だからこその、深い話が続いた。

「最初の頃ってプロダクションとかタイミングとかでポンってすぐ山頂に連れてってくれるんです。みなさんが実力がないとかっていうわけじゃなくて、山頂に連れてってくれるの」とジェスチャーを交えながら説明。

「プロダクションとかレコード会社、タイミング……その時にその景色を見るわけですよ。ただその時、山頂に連れてってもらったけども、自分が次の山に登る時どんな準備をすればいいのか。
どんなリュックサックにどの荷物を詰めばいいか教わらずに山頂に来ていることは忘れちゃいけない」

アイドルの人気を山登りになぞらえて語った。

一人で山登りをするときに何を用意すればいいのか、これから7年8年の間に考えておいた方がいいと中居。最後は「絶対オンエアしてね!」と“中居節”で笑いをとっていた。どこか照れくさそうにしていたが、30年以上に渡って積み重ねてきた、重みのあるアドバイスをすらすらと語っていた。

6人グループはバラバラの方がいい

田中樹からは「6人グループで必要な役割について」。中居が理想の6人グループを作るとしたらどういう役割が必要なのか?という質問を受けると、中居は「6人グループから5人」とさりげなく訂正しつつ、「6人はバラバラの方がいいですよ」、「フィーチャーされるタイミングっていうのは早い人もいれば遅い人もいます、それは待てる方がいいな」。


個人にスポットライトがあたる時期はみんな違うと話し、「でも5番目の人もいれば6番目の人もいる、その間SixTONESというグループが常にトップであれば遅れてても目立たない」。

そして「際立ち」と「浮き」の違いを挙げ、「際立たせるために遅れてるのはいい。浮かないようにしないっていうのかな。『なんかあの人浮いてない?』って、浮いてる人が一人いるとギクシャクしちゃうから。でも『際立ってない?』ってなると見方が全然違う。なるべく浮かないように個人が一人ずつやっていくのかな」。繰り出されるアドバイスは、SMAPそのものだった。

「絶対自分の番が回ってくるまで6人でスクラムを組んでいた方がいい。でも順番が来るまで絶対ね、際立って脚光浴びてる人をわっと(盛り上げる)しなきゃきけないし、自分が来たときはあの時支えてくれたからわっとしなきゃいけないし、そのやっぱり繰り返しじゃないかな」と、グループならではの進み方も指南した。

以前、『ナカイの窓』(日本テレビ系)でもアイドル論を語ったことがあった(2013年放送)。メンバー構成について「ジャニーさんはプロ野球を意識してる」と考察。はじめに人気の出る中心メンバー、野球でいえばジャイアンツとその対抗馬である阪神に匹敵する人材を集めて、あとの2~3人は、まだ人気のない地味目なメンバーを入れる傾向にあるという。

「まず巨人がしっかりしてないとグループが有名にならないから。うちなんかのメンバーで言ったら、俺と木村(拓哉)くんが派手なタイプだから。他に地味な3人4人がいたりして、でもこれが出てくるまでにすごく時間がかかるのよ。だからまず中居と木村でわっと行かして。まずこの4人(他のメンバー)が出てくるまでに解散しちゃうのよグループって。でも4人が出てきた時はやっぱ強いよね」。



どの後輩が来ても同じアドバイスをしたのかはわからない。ここからは勝手な憶測だが、ベテランMCの中居だ。番組の流れやタイミング、話す相手を踏まえてのことだろう。さっきまでのわちゃわちゃから一転して、ここまで真剣に語ったのは、共演の機会こそなかったが、ジャニーズJr.時代から見てきた後輩であること、そしてデビューを掴んでこれから長い長い道のりが待っている彼らを思ってのことではないか。

また、おふざけを一緒にしたり、中居に翻弄されたりしていたSixTONESだが、グループとして成功したい、続けていきたいという彼らの真剣さが伝わったのではないだろうか。

SMAPが音楽番組の衰退期にデビューし、当時としては珍しくバラエティ番組に活路を見出してきたように、SixTONESも2018年に日本初の「YouTubeアーティストプロモ」キャンペーンに抜擢されるなど、YouTubeをはじめ、音楽にこだわるなど新たな挑戦を続けているグループだ。世代も取り巻く環境も大きく異なるが、新たな挑戦を続ける姿勢に共通するものを感じなくもない。

さて、番組では近日放送予定としてKis-My-Ft2の出演が発表された。ひときわ目をかけてきた後輩だけに、彼らを前に中居はどんなことを語るのか。こちらも楽しみだ。
(柚月裕実)

※次回「Weekly“J”」を更新しましたら、Twitterでお知らせします

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Writer

柚月裕実


Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。

関連サイト
@hiromin2013